はじめに:キーボードカバーって本当に必要?
パソコン作業に欠かせないアイテム、キーボード。毎日使うものだからこそ、知らず知らずのうちに汚れていませんか?「キーボードの隙間にホコリや髪の毛が…」「お菓子を食べながら作業してたら、食べかすが…」「うっかり飲み物をこぼしそうになってヒヤッとした…」なんて経験、一度はあるかもしれませんね。
そんな時にふと頭に浮かぶのが「キーボードカバー」の存在。でも、「本当に必要なの?」「付けたら打ちにくくならない?」「種類が多すぎて、どれがいいのか分からない…」と、導入に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
この記事は、そんなあなたのための「キーボードカバーの完全ガイド」です。特定の商品をおすすめするような宣伝は一切ありません。ただひたすらに、キーボードカバーというアイテムの基本から、メリット・デメリット、後悔しないための選び方、そして長く使うためのお手入れ方法まで、あなたが知りたい情報をすべて詰め込みました。
この記事を読み終える頃には、あなたにとってキーボードカバーが必要かどうか、もし必要ならどんなものを選べば良いのかが、ハッキリと見えているはずです。さあ、一緒にキーボードカバーの世界を覗いてみましょう!
まずは知っておきたい!キーボードカバーの基本
そもそも、キーボードカバーとは一体何なのでしょうか。まずはその基本的な役割や、使うことのメリット・デメリットを整理してみましょう。これを理解するだけで、自分に必要かどうかが見えてきますよ。
キーボードカバーの役割とは?
キーボードカバーの一番の役割は、なんといっても「キーボード本体を汚れや物理的なダメージから守る」ことです。
私たちの身の回りには、キーボードを脅かすものがたくさん潜んでいます。例えば、以下のようなものです。
- ホコリや髪の毛:いつの間にかキーの隙間に入り込み、蓄積していきます。
- 手垢や皮脂:タイピングする指から付着し、キーボードのテカリやベタつきの原因になります。
- 食べかす:デスクで軽食をとる習慣がある方は要注意。小さなカスが内部に入り込むことも。
- 飲み物:コーヒー、お茶、ジュースなどをこぼしてしまうと、キーボードの故障に直結する可能性があります。
- ペットの毛:ペットを飼っているご家庭では、いつの間にか毛が入り込んでいることも珍しくありません。
キーボードの内部は精密な電子部品でできています。一度内部にゴミや液体が侵入してしまうと、掃除するのは非常に困難ですし、最悪の場合、キーが反応しなくなったり、パソコン本体が故障したりする原因にもなりかねません。キーボードカバーは、こうした様々な脅威から、あなたの大切なキーボードを守るための「盾」のような存在なのです。
また、保護というメインの役割以外にも、タイピングの音を静かにしたり、キートップの文字が消えるのを防いだり、キーボードの見た目を変えて楽しんだりといった、副次的な役割も担ってくれます。
キーボードカバーを使うメリット(利点)
では、具体的にキーボードカバーを使うと、どんないいことがあるのでしょうか。主なメリットを挙げてみましょう。
- 衛生的に保てる
キーボード本体は凹凸が多くて掃除がしにくいですが、カバーの上ならサッと拭くだけで綺麗になります。カバー自体を取り外して丸洗いできるタイプも多く、キーボード周りを常に清潔な状態に保ちやすくなります。 - 防水・防塵効果
これが最大のメリットかもしれません。うっかり飲み物をこぼしても、カバーが防いでくれれば、キーボード内部への浸水を防げる可能性が高まります。ホコリやゴミがキーの隙間に入るのもブロックしてくれるので、内部の汚れを気にせず済みます。 - 打鍵音の静音化
特にシリコン素材などの柔らかいカバーは、タイピング時の「カチャカチャ」という音を吸収し、静かにしてくれます。深夜の作業や、オフィス、図書館、カフェなど、周りの音が気になる環境で作業する方にとっては、大きな魅力と言えるでしょう。 - キーボードの摩耗防止
長年キーボードを使っていると、特定のキーの文字が薄くなったり、消えてしまったり、表面がテカテカに光ってきたりしますよね。カバーを付けておくことで、キートップへの直接の摩擦を防ぎ、こうした経年劣化からキーボードを守ってくれます。 - 手軽なイメージチェンジ
透明なタイプだけでなく、様々なカラーやデザインのキーボードカバーがあります。お使いのキーボードに少し飽きてきたな、と感じた時に、カバーを付け替えるだけで手軽に見た目の印象を変え、気分転換を図ることができます。
キーボードカバーを使うデメリット(欠点)
もちろん、良いことばかりではありません。キーボードカバーには、人によっては大きな問題となるデメリットも存在します。購入してから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、欠点もしっかりと把握しておきましょう。
- 打鍵感(キータッチ)の変化
これが最も多くの人が気にするポイントです。カバーを一枚挟むことになるので、当然ながらキーを押したときの感触は変わります。本来のキーボードが持つ軽快なタッチ感が失われ、少し鈍い、あるいは重い感触になることが多いです。この変化に違和感を覚えて、結局使わなくなってしまう人も少なくありません。 - 熱がこもりやすい可能性
特にノートパソコンの場合、キーボード面からも熱を放出(排熱)している機種があります。そうしたパソコンにカバーを被せると、熱の逃げ場を塞いでしまい、本体内部に熱がこもりやすくなる可能性があります。長時間の動画編集やオンラインゲームなど、パソコンに高い負荷をかける作業を頻繁に行う方は、注意が必要です。 - サイズが合わないと悲劇に
キーボードの形状やキー配列は、メーカーや機種によって驚くほど多様です。少しでもサイズが合わないカバーを選ぶと、浮いてしまったり、ずれてしまったりして、非常にタイピングしにくくなります。特にキーごとの凹凸に合わせた「一体型」のカバーは、対応機種が完全に一致していないと全く使えません。 - カバー自体が劣化する
キーボードカバーは消耗品です。素材にもよりますが、使っているうちに紫外線や皮脂の影響で黄ばんだり、伸びてブカブカになったり、硬化してしまったり、最悪の場合は破れたりします。永久に使えるものではない、という認識は持っておく必要があります。 - 掃除の手間が増える
キーボード本体は汚れにくくなりますが、その分カバー自体が汚れます。特にシリコン素材などは、ホコリやゴミが付着しやすい性質を持っています。そのため、カバーを清潔に保つための定期的なお手入れ(拭き掃除や水洗い)という、新たな手間が発生することになります。
あなたに合うのはどれ?キーボードカバーの種類を徹底解説
キーボードカバーの世界は、意外と奥が深いんです。大きく分けて「素材」と「形状」の2つの軸で、様々な種類に分類できます。それぞれの特徴を知ることで、あなたの使い方や好みに合ったカバーが見えてくるはずですよ。
素材で選ぶ
まずは、カバーの感触や性能を大きく左右する「素材」の違いから見ていきましょう。主流は「シリコン」と「TPU」ですが、他にもいくつか種類があります。
シリコン素材
特徴:
キーボードカバーと聞いて多くの人がイメージするのが、このシリコン素材ではないでしょうか。ゴムのように柔らかく、非常に高い伸縮性を持っているのが特徴です。指に吸い付くような、しっとりとした感触があります。
メリット:
その柔らかさと伸縮性のおかげで、キーボードへの密着性が非常に高いです。キーの一つひとつを隙間なく覆うことができるため、防水・防塵効果に優れています。また、素材自体が音を吸収する性質を持っているので、タイピング音を抑える静音効果も期待できます。滑りにくいので、タイピング中に指が安定しやすいと感じる人もいるでしょう。
デメリット:
シリコン素材の表面は、静電気が起きやすく、ホコリや髪の毛、小さなゴミなどを吸着しやすいという性質があります。黒いキーボードに白いホコリがびっしり…なんてことにもなりかねません。また、長期間使用していると、皮脂や紫外線の影響で黄ばんできたり(黄変)、素材が伸びてしまってフィット感が失われたりすることがあります。透明なタイプでも、透明度は後述するTPUに劣る傾向があります。
TPU(熱可塑性ポリウレタン)素材
特徴:
「ティーピーユー」と読みます。シリコンとプラスチックの中間のような素材で、シリコンよりも硬めでハリがあり、サラサラとした手触りが特徴です。非常に薄く加工できるため、薄型の製品が多く見られます。
メリット:
最大のメリットは、その薄さと透明度の高さです。カバーを付けていることを忘れるほど、と表現される製品もあるくらい、素のキーボードに近い打鍵感を得やすいです。透明度が高いため、キーボード本来の美しいデザインや、MacBookなどに搭載されているキーボードバックライトの光を損ないにくいのも嬉しいポイント。シリコンに比べてホコリが付着しにくいので、見た目をクリーンに保ちやすいです。耐久性も比較的高めです。
デメリット:
シリコンほどの柔らかさや伸縮性はないため、キーボードの形状に完全に一致していないと、部分的に浮いてしまったり、パカパカしたりすることがあります。シリコンに比べると素材が硬めなので、打鍵音の静音効果はやや劣る傾向にあります。また、薄い製品が多いため、鋭利なもので引っ掛けると破れてしまう可能性も考えられます。
その他の素材
数は少ないですが、シリコンやTPU以外の素材を使ったキーボードカバーも存在します。
ポリアミド樹脂(ナイロン系素材など):
非常に薄く、耐久性に優れているのが特徴です。「極薄」を謳う製品に使われることがあります。サラサラとした感触で、指の滑りが良いのがメリットです。熱にも比較的強く、劣化しにくいとされています。ただし、他の素材に比べて生産数が少ないためか、価格が比較的高くなる傾向があります。
形状で選ぶ
次に、カバー全体の「形状」による違いを見ていきましょう。これは汎用性やフィット感に直結する重要なポイントです。
フラットタイプ(シートタイプ)
特徴:
その名の通り、キーの凹凸がなく、一枚の平らなシート状になっているタイプのカバーです。「フリーカットタイプ」として販売されていることもあり、自分のキーボードの大きさに合わせてハサミで切って使うものもあります。
メリット:
特定の機種に依存しないため、様々なキーボードに使い回せる汎用性の高さが魅力です。デスクトップ用の大型キーボードや、少し特殊な配列のキーボードなど、専用の一体型カバーが見つからない場合に選択肢となります。構造がシンプルなため、比較的安価な製品が多いのも特徴です。
デメリット:
キーの凹凸にフィットしていないため、どうしてもタイピング中にカバーがずれやすいです。両面テープなどで固定する製品もありますが、それでも一体型のようなフィット感は得られません。キーとカバーの間に隙間ができやすいため、横からの液体の侵入などには弱く、防水・防塵性能は後述の一体型に比べて劣ります。打鍵感も、シートが1枚乗っている感覚が強く、違和感を覚えやすいかもしれません。
キーボード一体型(立体成型タイプ)
特徴:
現在主流となっているのがこのタイプです。特定のキーボードモデルのキーの形状や配列、大きさ、隙間の幅などに合わせて、立体的に成型されています。キーの一つひとつにぴったりとハマるように作られています。
メリット:
キーボードにぴったりとフィットするため、タイピング中にずれることがほとんどありません。キーとカバーが一体化するため、打鍵感の違和感もフラットタイプに比べて少ない傾向があります。キーボード全体を隙間なく覆うことができるため、ホコリやゴミ、液体の侵入をしっかりと防ぐことができ、防水・防塵効果が非常に高いです。これが一体型の最大の強みと言えるでしょう。
デメリット:
特定の機種専用に作られているため、汎用性は全くありません。対応する機種でなければ、たとえキーボードの大きさが似ていても、キーのサイズや位置が微妙に違うため使えません。購入する際には、自分のパソコンやキーボードの型番を正確に確認し、完全に対応した製品を選ぶ必要があります。この「型番確認」が、一体型カバー選びで最も重要なプロセスになります。
これで失敗しない!自分にぴったりのキーボードカバーを見つけるためのチェックポイント
さて、キーボードカバーの種類が分かったところで、いよいよ実践編です。数ある選択肢の中から、自分にとってベストな一枚を見つけ出すための具体的なチェックポイントを解説します。「安いから」「なんとなく良さそうだから」で選んでしまうと、高確率で「安物買いの銭失い」になってしまいます。じっくりいきましょう!
まずは自分のキーボードを正確に知ろう!
これが何よりも、絶対に、一番大事なポイントです。これを怠ると、すべてが無駄になってしまうと言っても過言ではありません。特に、キーボード一体型のカバーを購入する際には必須の作業です。
- メーカー、製品名、型番の確認
お使いのパソコンやキーボードの「正式名称」を正確に把握しましょう。ノートパソコンであれば、本体の底面に貼られているシールに「Model No.」や「型番」といった記載があるはずです。外付けのキーボードも同様に、裏面を確認すれば製品情報が記載されています。購入時の箱や説明書が残っていれば、それでも確認できます。「確か〇〇の13インチだったはず…」といった曖昧な記憶に頼るのは絶対にやめましょう。 - 発売時期・モデルイヤーの確認
特にMacBookやSurfaceなどの人気シリーズのノートパソコンは、見た目がそっくりでも、発売された年(モデルイヤー)によって、キーの形状や配列が微妙に異なっていることがよくあります。例えば、ファンクションキーの列の仕様が違ったり、Touch ID(指紋認証)の有無でキーの形が違ったりします。自分のパソコンが何年発売のモデルなのかをしっかり確認しましょう。 - キーボード配列の確認(JISかUSか)
キーボードには、主に日本語配列(JIS)と英語配列(US)の2種類があります。この2つは見た目が大きく異なります。- エンターキーの形:JIS配列は逆L字型の大きなキー、US配列は横長の長方形です。
- 記号の配置:「@」や「”」などの記号の位置が全く違います。
- スペースキーの長さ:US配列の方が長い傾向にあります。
自分のキーボードがどちらの配列なのかを必ず確認してください。これを間違えると、カバーが全くハマりません。
自分のキーボードの情報を正確に把握したら、それを元に対応するキーボードカバーを探します。商品の対応機種一覧に、自分のパソコンやキーボードの型番が一字一句違わずに記載されているかを確認することが、失敗しないための絶対条件です。
利用シーンを想像してみよう
次に、あなたがどんな場所で、どんな目的でキーボードカバーを使いたいのかを具体的に想像してみましょう。それによって、重視すべきポイントが変わってきます。
- 静かなオフィスや図書館で使うなら…
周りの人への配慮が大切になりますよね。この場合は、タイピング音をしっかり吸収してくれる静音性の高いシリコン素材が有力な候補になるかもしれません。「あの人、タイピング音がうるさいな…」と思われずに済むのは、精神的にも楽です。 - カフェなどにおしゃれなノートPCを持ち出して作業するなら…
見た目のスマートさも重要です。分厚いカバーを付けると、せっかくのスタイリッシュなPCが野暮ったく見えてしまうかもしれません。そんな時は、極薄で透明度の高いTPU素材などを選ぶと、PC本来のデザインを損なわずに保護することができます。 - 自宅でじっくりと文章作成やプログラミングをするなら…
長時間のタイピングになるため、打鍵感が何よりも重要になります。カバーを付けている違和感がストレスにならないよう、できるだけ薄いものや、評判の良い素材を選ぶなど、キータッチを最優先で考えるのが良いでしょう。 - デスクで飲み物やスナック菓子をよく口にするなら…
一番の目的は「万が一の事態」を防ぐこと。この場合は、キーボードにぴったりフィットして隙間を作らない、防水・防塵性の高いキーボード一体型を選ぶと安心感が高まります。
素材の特性を理解して選ぶ
「種類」の章で解説した素材の特性を、もう一度おさらいしてみましょう。下の表は、それぞれの素材の長所と短所を大まかにまとめたものです。あなたがどの項目を一番重視するかで、選ぶべき素材が見えてきます。
| 素材 | フィット感 | 透明度 | 静音性 | 耐久性 | ホコリの付きやすさ |
| シリコン | 高い | やや低い | 高い | 普通 | 付きやすい |
| TPU | 普通 | 高い | 普通 | 高い | 付きにくい |
例えば、「とにかく静かにタイピングしたいし、キーボードにぴったりフィットしてほしい」という方はシリコンが向いているかもしれません。一方で、「キーボードのバックライトを活かしたいし、サラサラした打鍵感がいい。ホコリが付くのは嫌だ」という方はTPUが候補になるでしょう。このように、自分の優先順位をはっきりさせることが大切です。
透明度も意外と大事なポイント
カバーの色や透明度も、使い勝手や満足度を左右する重要な要素です。
バックライト機能を使いたい場合:
お使いのキーボードにバックライト機能(キーが光る機能)が付いているなら、その光を透過する透明度の高いカバーを選ぶのがおすすめです。せっかくの便利な機能が、カバーのせいで使えなくなってしまうのはもったいないですよね。TPU素材などは透明度が高い製品が多いです。商品を選ぶ際には、「バックライト対応」といった表記があるかどうかも確認すると良いでしょう。
キーボードのデザインを活かしたい場合:
パソコン本体やキーボードのデザインが気に入っている場合も、やはり透明なクリアタイプが最適です。カバーを付けていることが目立たないので、元の見た目を損なうことなく、保護という目的を達成できます。
気分転換やカスタマイズを楽しみたい場合:
逆に、黒一色で地味なキーボードの印象を変えたい、という場合は、カラータイプのカバーが面白い選択肢になります。ブルー、ピンク、グリーンなど様々な色のカバーがありますし、複数の色が使われたグラデーションカラーの製品もあります。手軽にデスク周りの雰囲気を変えたい方にはぴったりです。
長持ちさせる秘訣!キーボードカバーの正しい装着方法と日々のお手入れ
お気に入りのキーボードカバーを見つけたら、できるだけ長く、快適に使いたいですよね。そのためには、最初の装着方法と、日々のちょっとしたメンテナンスがとても重要になります。キーボードカバーは消耗品ですが、扱い方次第でその寿命は大きく変わりますよ。
正しい装着方法
新品のカバーを袋から出して、そのままパッと被せていませんか?ちょっと待ってください。ひと手間かけるだけで、フィット感も見た目も格段にアップします。
- 装着前のクリーニング
まず、キーボードカバーを装着する前に、キーボード本体の表面を綺麗に掃除しましょう。OA用のエアダスターでキーの隙間のホコリを吹き飛ばし、マイクロファイバークロスなどでキーの表面の皮脂や汚れを拭き取ります。キーボードが汚れたままカバーをすると、汚れを閉じ込めてしまうことになり、衛生的ではありません。また、小さなゴミが挟まったままだと、その部分だけカバーが浮いてしまったり、タイピングでキーが押されるたびにゴミが擦れて、キートップに傷が付いたりする原因にもなります。 - カバー自体も確認
新品のカバーでも、製造過程や梱包時に細かなホコリが付着していることがあります。装着前に、カバーの内側(キーボードに接する面)も軽く拭いておくと、より完璧です。 - ゆっくりと空気を抜きながら
一体型のカバーを装着する際は、片方の端(例えばスペースキー側)から位置を合わせ、ゆっくりとキーボードにかぶせていきます。このとき、キーとカバーの間に空気が入らないように、指で軽く押さえながら、空気を外に逃がすようなイメージで装着していくのがコツです。一気に被せると空気が抜けずに浮きの原因になることがあります。
基本的なお手入れ方法
キーボードカバーは、あなたの大切なキーボードの身代わりとなって、日々汚れを受け止めてくれています。定期的に綺麗にしてあげましょう。
- 表面のホコリ
日常的な軽いホコリは、キーボードから外さずに、エアダスターで吹き飛ばしたり、カメラのレンズ清掃に使うような柔らかいブラシで優しく払ったりするだけでOKです。 - 手垢や軽い汚れ
水で濡らして固く、固く絞ったマイクロファイバークロスや、OA用のウェットティッシュなどで、表面を優しく拭き取ります。ゴシゴシこすると、特にTPU素材などは傷が付く可能性があるので注意してください。 - しつこい汚れ・ベタつき
汚れがひどくなってきたら、キーボードから取り外して水洗いするのが一番です。洗面器などにぬるま湯を張り、食器用の中性洗剤を数滴溶かします。その中で、指の腹を使って優しくなでるように洗います。洗い終わったら、洗剤が残らないように流水でしっかりとすすぎます。 - 乾燥は慎重に
洗い終わった後の乾燥が非常に重要です。まず、糸くずの出ないマイクロファイバークロスなどで、優しくポンポンと叩くようにして、できるだけ水分を拭き取ります。その後は、直射日光の当たらない風通しの良い場所で、完全に自然乾燥させます。水分が残ったまま装着すると、カビやキーボードの故障の原因になるので、絶対にやめましょう。また、TPU素材などは熱に弱いので、ドライヤーの温風で乾かすのは厳禁です。
【重要】お手入れ時の注意点
アルコール成分の入った除菌シートや、ベンジン、シンナーなどの有機溶剤は絶対に使用しないでください。カバーの素材を劣化させ、硬化させたり、変色させたり、溶かしてしまったりする原因になります。
素材別の注意点
素材の特性によって、お手入れで少しだけ気をつけたいポイントがあります。
シリコン素材の場合:
静電気でホコリを吸着しやすいので、汚れが気になったら、こまめに水洗いするのがおすすめです。洗って乾かした後に、素材同士がくっついたり、キーボードに貼り付いたりするのを防ぐために、ベビーパウダーやコーンスターチ(片栗粉でも可)をごくごく少量、薄ーくはたいておくと、サラサラ感が復活して快適に使えます。ただし、付けすぎると粉がキーボードの隙間に入る原因になるので、本当にごく少量にしてくださいね。
TPU素材の場合:
シリコンに比べて汚れは付きにくいですが、薄くて硬い分、強くこすると細かい傷が付きやすいです。拭き掃除の際は、とにかく優しく行うことを心がけましょう。また、シリコンよりも紫外線による変形や変色が起こりやすい傾向があるため、使わないときは日に当たらない場所に保管すると長持ちに繋がります。
交換時期の目安
大切に使っていても、キーボードカバーはいつか寿命を迎えます。以下のようなサインが見られたら、新しいものへの交換を検討する時期かもしれません。
- フィット感の低下
カバーが伸びてしまったり、波打つように変形したりして、キーボードにぴったりフィットしなくなった。タイピングするたびにズレたり浮いたりして、ストレスを感じるようになった。 - ひどい変色
特にクリアタイプのカバーで、黄ばみや黒ずみがひどくなり、洗っても綺麗にならなくなった。見た目が不潔な印象になってしまった。 - 物理的な損傷
よく使うキーの部分が薄くなってきたり、破れて穴が開いてしまったりした。これでは保護の役割を果たせません。 - 素材の硬化
購入当初のしなやかさがなくなり、素材が硬くなってしまった。ゴワゴワしてタイピングがしづらいと感じるようになった。
「まだ使えるから」とボロボロのカバーを使い続けると、かえってタイピングの効率が落ちたり、破れた部分からゴミが侵入したりする可能性があります。消耗品と割り切って、気持ちよく作業できる状態を維持するために、適切なタイミングで交換してあげましょう。
これでスッキリ!キーボードカバーに関するよくある質問
ここでは、キーボードカバーを検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめてみました。あなたの疑問も、ここで解決するかもしれませんよ。
Q. キーボードカバーを付けるとパソコンが熱くなりませんか?
A. その可能性は否定できません。特に注意が必要なのは、ノートパソコンです。
パソコン、特にノートパソコンは、内部で発生した熱を外に逃がす(排熱する)ことで性能を維持しています。排熱口は側面にや背面にあることが多いですが、機種によっては、キーボードの隙間からも放熱しているものがあります。このようなタイプのパソコンにキーボードカバーを被せると、熱の逃げ道を一つ塞いでしまうことになり、通常時よりも内部に熱がこもりやすくなる可能性があります。
Webサイトの閲覧やメールの作成といった軽い作業では問題になることは少ないかもしれませんが、長時間の動画編集、高画質なオンラインゲーム、データのエンコードなど、パソコンに高い負荷がかかる作業をする際は注意が必要です。もしお使いのパソコンが使用中にかなり熱くなるタイプで、かつキーボード面からも熱を感じるようであれば、高負荷な作業をするときだけ一時的にカバーを外す、といった工夫を検討するのも一つの方法です。ご自身のパソコンの排熱の仕組みがどうなっているか、一度確認してみることをお勧めします。
Q. 打鍵感がどうしても慣れません。何か対策はありますか?
A. これはキーボードカバー永遠の課題とも言える問題です。いくつか考えられる対策はあります。
打鍵感の変化は、多くの人がキーボードカバーの使用をためらう、あるいはやめてしまう最大の理由です。まず試せる対策としては、できるだけ薄い素材のカバーを選ぶことです。一般的に、厚みのあるシリコンよりも、極薄のTPU素材の方が、元のキーボードの打鍵感に近いとされています。
それでも違和感がある場合、残念ながら「時間をかけて慣れる」というのが最も現実的な対策になります。最初は打ち間違いが増えたり、タイピングの速度が落ちたりするかもしれませんが、数日間使い続けるうちに、脳と指がカバー越しの打鍵感に順応していくことも多いです。
しかし、どうしてもその感触がストレスに感じてしまい、作業効率が著しく落ちるようであれば、無理に使い続ける必要はありません。その場合は、キーボードの保護よりも、快適なタイピング環境を優先する、という判断も大切です。飲み物をこぼさないように気をつける、こまめに掃除をするといった運用でカバーしていくのも立派な選択肢です。
Q. フリーサイズのカバーはどんなキーボードにも合いますか?
A. 「どんなキーボードにも使える」という意味ではありますが、「ぴったり合う」わけではありません。
「フリーサイズ」や「汎用タイプ」として販売されているシート状のカバーは、特定のキーボードの凹凸に合わせて作られていません。そのため、基本的にはキーボードの上に「乗せる」だけになります。テンキーの有無や全体の大きさなど、大まかなサイズ感はもちろん確認が必要ですが、キーの一つひとつにフィットするわけではないのです。
そのため、タイピングのたびにズレやすく、一体型のような高い保護性能(特に横からの液体の侵入など)は期待できません。専用の一体型カバーが見つからない特殊なキーボードを使っている場合や、複数のキーボードで使い回したい場合などの「次善の策」と考えるのが良いでしょう。タイピングの快適さや確実な保護を求めるのであれば、やはり機種専用の一体型が優れています。
Q. カバーを洗った後、白い粉のようなものを付けるのはなぜですか?
A. 主にシリコンカバーの滑りを良くし、貼り付きを防ぐためです。
これは、お手入れの章でも少し触れましたが、洗浄・乾燥させた後のシリコンカバーの表面に、ベビーパウダーやコーンスターチといった非常に細かい粉を薄くまぶすというテクニックです。これにより、以下のような効果が期待できます。
- カバー表面がサラサラになり、指の滑りが良くなる。
- シリコン特有のペタペタ感がなくなり、キーボード本体への貼り付きを防ぐ。
- ホコリが付きにくくなる(一度粉をはたいてから余分な粉を落とすことで、表面の粘着性が和らぐため)。
ただし、これは必須の作業ではありませんし、粉の付けすぎはかえってキーボードを汚す原因にもなります。もし試す場合は、本当にごくごく少量を、カバー全体にいきわたらせるように薄く付け、余分な粉はしっかり払い落としてから装着するようにしてください。
Q. MacBookにカバーは必要ですか?
A. これは非常に意見が分かれる、デリケートな問題です。
MacBookユーザーの間では、「カバー肯定派」と「カバー否定派」で長年議論が交わされています。否定派の主な意見としては、以下のようなものがあります。
- デザイン性の損失:Apple製品の洗練されたデザインを損ないたくない。
- ディスプレイへの影響:近年のMacBookは、画面を閉じたときのディスプレイとキーボードのクリアランス(隙間)が非常に狭く設計されています。そのため、薄いカバーであっても付けたまま閉じると、ディスプレイにカバーの跡が付いたり、皮脂が転写されたり、最悪の場合は圧力でディスプレイを損傷させたりするリスクがある、とApple自身も公式に注意喚起しています。
- 排熱の阻害:MacBookもキーボード面から排熱を行っているため、カバーがその妨げになる可能性がある。
一方で、肯定派は、やはり高価なMacBookを汚れや万が一の水濡れから守りたいという気持ちが強いです。特に、修理費用が高額になりがちなApple製品だからこそ、保険としてカバーを付けておきたいと考えるのも自然なことです。
もしMacBookでキーボードカバーを使用する場合は、これらのリスクを十分に理解した上で、信頼できるメーカーの、MacBook専用に設計された極薄の製品を選ぶことが大前提となります。そして、できればノートパソコンを閉じる際には、その都度カバーを外す習慣をつけるのが、最も安全な使い方と言えるかもしれません。
まとめ:キーボードカバーを賢く活用して、快適なPCライフを
ここまで、本当に長い道のりでしたね。キーボードカバーの基本から、メリット・デメリット、種類、選び方、お手入れ方法、そしてよくある質問まで、網羅的に解説してきました。
キーボードカバーは、あなたの大切なパソコンやキーボードを、日々の様々な脅威から守ってくれる心強い味方です。特に、飲み物をこぼしてしまったり、ホコリが内部に入り込んでしまったりすることによる故障のリスクを軽減できるのは、何にも代えがたい大きなメリットです。
その一方で、打鍵感が変わってしまうという、人によっては受け入れがたいデメリットも存在します。また、熱がこもりやすくなる可能性や、定期的なお手入れの手間も考慮しなければなりません。
結局のところ、キーボードカバーは「すべての人に絶対におすすめできる」というものでも、「全く必要ない」というものでもありません。あなたのPCの使い方、作業環境、そして何を重視するかによって、その価値は大きく変わってきます。
この記事を読んで、もしあなたが「自分にはキーボードカバーが必要そうだ」と感じたなら、ぜひ今回ご紹介した選び方のポイントを思い出してください。
なによりも重要なのは、「自分のキーボードの型番を正確に把握し、完全に対応した製品を選ぶこと」。そして、「自分がどんなシーンで、何を一番の目的として使いたいのかを明確にし、それに合った素材やタイプを選ぶこと」です。
この2つのポイントをしっかり押さえれば、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔する可能性を、ぐっと減らすことができるはずです。
この記事が、あなたのキーボードカバー選びの一助となり、より快適で安心なPCライフを送るためのきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。


