ご家庭やオフィスで活躍するFAX。いざという時に「インクがない!」「印刷がかすれる…」なんて経験、ありませんか?FAXのインクって、種類がたくさんあるように見えて、どれを選べばいいのか分かりにくいですよね。お店に行っても、ずらりと並んだパッケージに圧倒されてしまうかもしれません。
この記事では、特定の商品を一切紹介することなく、FAX用インクに関するあらゆるお役立ち情報だけを、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。「おすすめランキング」や「イチオシ商品」は一切ありません。その代わりに、この記事を読み終わる頃には、あなた自身が「自分のFAXには、どんなインクが合っているのか」を判断できるようになることを目指します。
インク選びの基礎知識から、交換方法、トラブル対処法、そして意外と知らない豆知識まで。FAX用インクの「?」を「!」に変えるための情報を、たっぷりとお届けします。さあ、一緒にFAX用インクの世界を探検してみましょう!
FAX用インクの基本をマスターしよう
まずは、FAX用インクの基本から押さえていきましょう。敵を知り、己を知れば百戦危うからず。インクの仕組みや種類を理解することが、失敗しないインク選びへの第一歩です。
そもそもFAXはどうやって印刷しているの?
FAXの印刷方式には、大きく分けて2つのタイプがあります。ご自身のFAXがどちらのタイプかを知ることが、インク選びのスタートラインです。
感熱紙方式
昔ながらのFAXに多いのがこのタイプ。専用の「感熱紙」に熱を加えて化学変化を起こさせ、文字や画像を黒く浮かび上がらせる仕組みです。ロール状の紙を使っていることが多いですね。
この方式の最大の特徴は、インクが必要ないこと。紙自体が発色するので、インク切れの心配がありません。ただし、印刷した内容は時間とともに薄くなったり、熱や光に弱かったりするという側面もあります。この記事で主に解説する「FAX用インク」は、この方式のFAXでは使用しません。
普通紙方式
現在主流となっているのが、ご家庭のプリンターと同じように、普通のコピー用紙などに印刷できる「普通紙方式」です。こちらは、印刷するために何らかの「インク」が必要になります。長期保存に向いていて、鮮明な印刷が可能です。
そして、この普通紙方式で使われる「インク」にも、さらに種類があるのです。ここが少しややこしいポイントなので、じっくり見ていきましょう。
普通紙FAXで使われる「インク」の正体
「FAX用インク」と一括りにされがちですが、実は主に2つの異なる技術が使われています。それが「インクリボン(熱転写方式)」と「インクカートリッジ(インクジェット方式)」です。
インクリボン(熱転写方式)
フィルム状のシートにインクが塗られていて、これを「インクリボン」と呼びます。FAX本体のサーマルヘッドという部分が熱くなり、その熱でインクリボンからインクを溶かして紙に転写する仕組みです。プラモデルのデカールを貼るようなイメージに近いかもしれません。
- 特徴:構造が比較的シンプルで、くっきりとした印刷が可能です。インクがにじみにくいというメリットもあります。
- 交換単位:多くの場合、決められた枚数(例えばA4用紙〇〇枚分など)を印刷すると、リボンを丸ごと交換する必要があります。途中でインクがかすれるというよりは、リボンを使い切ると突然印刷できなくなるイメージです。
インクカートリッジ(インクジェット方式)
こちらは、一般的なインクジェットプリンターと同じ仕組みです。液体状のインクが入った「インクカートリッジ」を本体にセットします。FAX本体のプリントヘッドにある無数の小さなノズルから、インクの微細な粒を紙に直接噴射して印刷します。
- 特徴:高画質な印刷が可能で、写真などの再現性にも優れています。カラー印刷が可能なFAX複合機などは、この方式がほとんどです。
- 交換単位:インクがなくなったら、カートリッジ単位で交換します。黒だけ、あるいは特定の色だけを交換できる機種もあります。
知っておきたいインクの種類:純正・互換・リサイクル
さて、ご自身のFAXが「インクリボン」を使うのか、「インクカートリッジ」を使うのかが分かったら、次のステップです。お店でインクを探すと、「純正品」「互換品」といった言葉を目にすることがあります。これは一体何が違うのでしょうか?それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解しておきましょう。
純正インク(純正品)
純正インクとは、お使いのFAXを製造・販売しているメーカー自身が、そのFAXのために作っている正規のインクのことです。いわば「公式」のインクですね。
- メリット:最大のメリットは、安心感と品質の安定性です。FAX本体との相性を考えて開発されているため、色合いの再現性や性能が最も安定していると考えられます。また、万が一インクが原因でFAX本体に不具合が生じた場合でも、メーカーの保証を受けやすいという利点があります。
- デメリット:一般的に、後述する互換インクやリサイクルインクに比べて、価格が高い傾向にあります。品質と安心のためのコスト、と考えることもできます。
互換インク(互換品)
互換インクとは、FAXメーカーとは別の会社(サードパーティ)が、純正インクと互換性があるように製造した、新品のインクのことです。
- メリット:何と言っても価格の安さが魅力です。純正インクに比べて大幅にコストを抑えられる場合が多く、印刷枚数が多い方にとっては大きなメリットになります。
- デメリット:品質にばらつきが見られることがあります。色合いが純正品と微妙に異なったり、インク残量が正しく表示されなかったり、最悪の場合、FAX本体に認識されない、インク漏れや目詰まりの原因になるといったリスクもゼロではありません。また、互換インクの使用が原因でFAXが故障した場合、メーカーの保証対象外となることがほとんどです。この点を十分に理解した上で選択する必要があります。
リサイクルインク(再生品)
リサイクルインクとは、使用済みの純正インクカートリッジを回収し、洗浄・修理した上で、再びインクを充填して販売されている製品です。
- メリット:環境に配慮している点が挙げられます。また、価格も純正品よりは安く、互換品と同等かそれに近い価格帯で販売されていることが多いです。
- デメリット:こちらも互換インクと同様に、品質にはばらつきがあります。カートリッジ自体の劣化も考えられるため、トラブルのリスクは互換インクと同様に考慮する必要があります。メーカー保証の対象外となる点も同じです。
これらの3種類は、どれが絶対的に良い・悪いというものではありません。何を重視するかによって、最適な選択は変わってきます。コストを最優先するのか、それとも万が一の際のリスクを避けて安心感を選ぶのか。ご自身の使い方や考え方に合わせて検討することが大切です。
【インクジェット方式の方へ】染料インクと顔料インクの違い
お使いのFAXがインクジェット方式の場合、もう一つ知っておくと便利な知識があります。それは、インクの主成分による「染料(せんりょう)インク」と「顔料(がんりょう)インク」の違いです。
染料インク
水などの溶媒にインクの色素が完全に溶けている、サラサラとした液体状のインクです。紙に浸透して発色するのが特徴です。
- メリット:色の再現性が高く、写真などを印刷した際に鮮やかで光沢感のある仕上がりになります。色の階調表現も得意です。
- デメリット:インクが紙に染み込む性質上、水に濡れるとにじみやすいという弱点があります。また、光(特に紫外線)に長時間当たると色あせしやすい傾向があります。
- FAXでの適性:送られてきた内容を一時的に確認するだけであれば問題ありませんが、長期保存したい書類の印刷には少し不向きな面もあります。
顔料インク
水などの溶媒に、色素の細かな粒子が溶けずに分散している、絵の具のようなイメージのインクです。紙の表面に色素の粒子が定着して発色します。
- メリット:紙の表面に乗るように定着するため、耐水性・耐光性に優れています。水に濡れてもにじみにくく、色あせもしにくいのが大きな強みです。文字もくっきりと印刷されやすいです。
- デメリット:染料インクに比べて色の鮮やかさや光沢感で劣る場合があります。また、紙の表面に乗っているだけなので、強くこすると剥がれてしまうこともあります。
- FAXでの適性:送られてきた契約書や公的な書類など、長期保存が必要な文書や、文字をくっきり読みたい場合に非常に適しています。ビジネス用途のFAXでは顔料インク(特に黒インク)が採用されていることが多いです。
ご自身のFAXがどちらのインクを採用しているかは、取扱説明書やメーカーのウェブサイトで確認できます。この違いを知っていると、印刷物の用途に合わせてFAXを選ぶ際の参考にもなりますね。
後悔しない!FAX用インクの賢い選び方
インクの基礎知識を学んだところで、いよいよ実践編です。ここでは特定の商品名を挙げることなく、「どうやって自分にピッタリのインクを見つけるか」という「考え方」と「手順」に焦点を当てて解説します。
最重要!自分のFAXに合うインクの見つけ方
FAX用インク選びで最もやってはいけない失敗。それは、「自分のFAXに対応していないインクを買ってしまうこと」です。これを防ぐためには、「型番」の確認が何よりも重要になります。
まずは「FAX本体の型番」を確認しよう
インクを探す前に、まずはお使いのFAX本体の正確な型番を調べましょう。型番は、人間でいうところの「名前」のようなものです。メーカー名だけでなく、この型番が分からないと、対応するインクを特定することができません。
型番は、以下のような場所に記載されていることがほとんどです。
- FAX本体の前面や背面、側面:多くの場合、メーカーロゴの近くや、裏側の仕様が書かれたシールなどに記載されています。「形名」や「Model No.」などと書かれていることもあります。
- 取扱説明書:表紙や最初のページに、大きく記載されています。
- 保証書:購入時に受け取った保証書にも、必ず記載があります。
スマートフォンで本体の型番部分を写真に撮っておくと、お店でインクを探すときに便利ですよ。
次に「対応インクの型番」を確認しよう
FAX本体の型番が分かったら、次はそのFAXに対応しているインクの型番を調べます。調べ方にはいくつかの方法があります。
- 現在使用中のインクを確認する:今、FAXにセットされているインクリボンやインクカートリッジを見てみましょう。本体のカバーを開けると、インク自体に型番が印字されているはずです。これが最も確実な方法の一つです。
- 取扱説明書で確認する:取扱説明書には、「消耗品」や「インクの交換」といったページに、対応するインクの型番が必ず記載されています。
- FAX本体の表示を確認する:インク交換のカバーを開けた内側など、FAX本体に対応インクの型番がシールで貼られている機種もあります。
- メーカーの公式ウェブサイトで調べる:メーカーのウェブサイトには、消耗品を検索するページがあることがほとんどです。そこでFAX本体の型番を入力すれば、対応するインクの型番を調べることができます。
なぜ型番がそんなに重要なのでしょうか? それは、インクの形状が機種ごとに厳密に決まっているからです。特にインクカートリッジの場合、見た目が似ていても、わずかな形状の違いや、ICチップ(インク残量などを管理する電子部品)の仕様が異なると、物理的にセットできなかったり、セットできてもFAXが認識してくれなかったりします。「だいたい同じだろう」は通用しない世界なのです。
何を基準に選ぶ?あなたに合った選択のためのヒント
対応するインクの型番が分かれば、あとは「純正品」「互換品」「リサイクル品」の中からどれを選ぶか、というステップに進みます。ここでは、あなたの使い方や考え方に合わせた選択のヒントをご紹介します。
コストを最優先したいあなたへ
「とにかく印刷コストを抑えたい!」という場合は、互換インクやリサイクルインクが主な選択肢になるでしょう。純正品に比べて価格が安いため、送られてくるFAXをすべて印刷するなど、使用頻度が高い場合には大きな差となって現れます。
ただし、忘れてはならないのが「リスク」の存在です。前述の通り、品質のばらつきや、FAX本体のメーカー保証が受けられなくなる可能性については、十分に理解しておく必要があります。
長期的な視点も大切です。万が一、インクが原因でFAXが故障し、修理や買い替えが必要になった場合、結果的に高くついてしまう可能性も考えられます。安さというメリットと、潜在的なリスクを天秤にかけ、納得した上で選ぶことが重要です。
品質と安心感を重視したいあなたへ
「大切な書類を扱うから、印刷品質には妥協したくない」「万が一のトラブルは絶対に避けたい」という場合は、純正インクが最も有力な選択肢となります。
メーカーがそのFAXのために開発したインクですから、性能が最大限に発揮されるように設計されています。特に、契約書や図面など、かすれやにじみが許されない重要な文書を送受信する機会が多いのであれば、この安心感は大きな価値を持つでしょう。
また、FAX本体の保証期間内にトラブルが起きた場合、原因の切り分けがスムーズに進むというメリットもあります。互換インクを使っていると、「インクが原因の可能性があるため保証対象外です」と言われてしまうケースも考えられますが、純正インクを使っていれば、その心配は少なくなります。
印刷する「頻度」で考えてみる
FAXをどれくらいの頻度で使うかも、インク選びの参考になります。
- たまにしか使わない場合:インクジェット方式のFAXの場合、長期間印刷しないと、プリントヘッドのノズル部分でインクが乾いてしまい、「目詰まり」を起こすことがあります。純正インクは、こうした長期間の不使用にもある程度配慮して設計されていると言われています。また、たまにしか使わないのであれば、インクのコスト差はそれほど大きくならないかもしれません。
- 毎日たくさん使う場合:印刷頻度が高い場合は、コストが気になるところです。互換インクを検討する価値は高まります。また、機種によっては、標準容量のインクだけでなく、より多くの枚数が印刷できる「大容量タイプ(増量タイプ)」が用意されていることがあります。1枚あたりの単価で考えると、標準タイプよりお得になる場合が多いので、対応インクを調べる際に大容量タイプの有無もチェックしてみると良いでしょう。
印刷する「内容」で考えてみる
何を印刷することが多いかも、選択のヒントになります。
- 文字が中心の場合:受信するFAXがほとんど文字情報なのであれば、インクの種類による見え方の差はそれほど大きくないかもしれません。ただし、にじみにくさを重視するなら、顔料インクを採用している機種を選ぶ、あるいは顔料の黒インクを使うことが望ましいでしょう。
- 図や写真、カラー原稿が多い場合:FAXで写真やカラーの資料を送受信する機会があるなら、色の再現性は重要です。特に、微妙な色合いを正確に伝えたい場合は、やはり純正インクに分があると言えるでしょう。
- 長期保存したい書類を印刷する場合:前述の通り、耐水性・耐光性に優れた顔料インクが適しています。受信したFAXをファイルして長期間保管する必要がある業務などでは、この点を重視してインクや、ひいてはFAX本体を選ぶことが大切です。
これで安心!FAX用インクの交換と取り扱い
正しいインクを選べたら、次は交換と取り扱いです。簡単な作業ですが、いくつかポイントを押さえておくと、よりスムーズに、トラブルなく行うことができます。
インク交換はいつすべき?交換のサイン
「まだ大丈夫かな?」と粘っているうちに、いざという時に印刷できなくなってしまうのが一番困りますよね。交換のサインを見逃さないようにしましょう。
- FAX本体からの警告メッセージ:多くのFAXには液晶画面があり、「インクが残りわずかです」「まもなくインク交換が必要です」といった準備を促すメッセージが表示されます。さらにインクがなくなると、「インクを交換してください」「インクがありません」といった、印刷ができないことを示すメッセージに変わります。このメッセージが表示されたら、速やかに交換が必要です。
- 印刷結果のかすれやスジ:メッセージは出ていなくても、印刷結果に白いスジが入ったり、全体的に薄くなったり、特定の色が出なくなったりしたら、それはインク切れのサインです。
一番のおすすめは、警告メッセージが表示された時点で、すぐに交換用のインクを準備しておくことです。手元にストックが一つあるだけで、心の余裕が全く違いますよ。
慌てないための一般的なインク交換手順
機種によって細かい手順は異なりますが、基本的な流れは共通しています。ここで紹介するのはあくまで一般的な例ですので、必ずご自身のFAXの取扱説明書を確認しながら作業してください。
- 電源は入れたままにする:多くの機種では、電源が入った状態で作業するよう指示されています。電源を切ってしまうと、FAXがインク交換を認識できない場合があります。
- 新しいインク(リボンまたはカートリッジ)を準備する:箱から出し、袋から取り出します。このとき、振ったりする必要はありません。
- FAX本体のカバーを開ける:インクがセットされている部分のカバーを開けます。すると、交換位置までインクが自動的に移動してくる機種もあります。
- 古いインクを取り外す:インクカートリッジやインクリボンには、固定しているツメやレバーがあります。それを指示通りに操作して、古いインクを真上に持ち上げるようにして取り外します。
- 新しいインクの準備をする:新しいインクには、輸送中のインク漏れを防ぐための保護キャップや、空気穴を塞ぐための黄色いテープなどが付いています。これらを取り外します。このとき、インクの噴射口や、金色の電子基板のようなICチップ部分には、絶対に手で触れないでください。手の脂や静電気が付着し、認識不良や故障の原因になることがあります。
- 新しいインクをセットする:正しい向きで、カチッと音がするまでしっかりと押し込みます。斜めになったり、浮いたりしないように注意しましょう。
- カバーを閉じる:インクをセットし終えたら、カバーをしっかりと閉じます。
- 動作確認をする:カバーを閉じると、FAXが自動的にインクの充填作業やプリントヘッドの位置調整などを始めることがあります。液晶画面の指示に従い、完了するまで待ちましょう。テスト印刷のパターンを印刷して、正常に交換できたか確認するとより確実です。
インクの正しい保管方法
予備のインクをストックしておく場合、保管方法も大切です。不適切な保管は、インクの品質を損なう原因になります。
未開封のインクの場合
- 高温・多湿・直射日光を避ける:インクは温度や湿度の変化にデリケートです。直射日光が当たる場所や、夏場の車内、暖房器具の近くなどは避けてください。常温で、光の当たらない戸棚の中などが最適です。
- 立てて保管しない:インクカートリッジの場合、箱に記載されている向きで保管するのが基本です。多くは横置き(平置き)が推奨されています。立てて長期間保管すると、内部のインクが偏ってしまう可能性があります。
- 推奨使用期限を確認する:インクの箱には「推奨使用期限」が記載されています。これは「この期限までに使い始めることをおすすめします」という目安です。期限を過ぎてもすぐに使えなくなるわけではありませんが、最高の印刷品質を得るためには、期限内に使い始めるのが理想です。
開封済みのインクの場合
一度開封し、FAXにセットしたインクは、そのままセットし続けておくのが基本です。長期間使わないからといって、わざわざ取り外して保管する必要はありません。むしろ、取り外すことでインクの噴射口が空気に触れて乾燥し、目詰まりの原因になることがあります。
どう捨てる?使用済みインクの処分方法
使い終わったインク、皆さんはどうしていますか?実は、インクカートリッジやインクリボンは、環境への影響を考えて、適切に処分することが推奨されています。
メーカーによる回収
多くのFAX・プリンターメーカーは、自社の純正カートリッジを回収するプログラムを実施しています。これは環境負荷を減らすための大切な取り組みです。
- 回収ボックスの利用:家電量販店や一部のスーパー、郵便局などに、使用済みインクカートリッジの回収ボックスが設置されています。メーカー合同で回収している場合が多いので、お使いのメーカーのカートリッジが対象か確認してみましょう。
- メーカーへの返送:メーカーによっては、専用の封筒で郵送して回収するサービスを行っている場合もあります。
互換・リサイクルインクの場合
互換インクやリサイクルインクの場合は、まずその製品の販売元のウェブサイトなどを確認し、回収サービスを行っているか調べてみましょう。もし回収サービスがない場合は、お住まいの自治体のルールに従って処分します。一般的には「不燃ごみ」や「プラスチックごみ」に分類されることが多いですが、自治体によって異なるため、必ず確認してください。
インクカートリッジは、小さな部品ですが、適切にリサイクルすることで新たな資源として生まれ変わります。少しの手間をかけて、環境に優しい行動を心がけたいものですね。
困った!FAX用インクのトラブル解決策
どんなに気をつけていても、時にはトラブルが起こってしまうこともあります。でも、慌てないでください。多くの問題は、いくつかの点を確認することで解決できる場合があります。ここでは、よくあるトラブルとその対処法をご紹介します。
よくあるトラブルと自分でできる対処法
ケース1:「インクを認識しません」と表示される
新しいインクに交換したのに、こんなメッセージが表示されると焦りますよね。まずは以下の点を確認してみましょう。
- インクは正しくセットされていますか?:「カチッ」と音がするまで、奥までしっかり押し込まれているか確認してください。一度取り外して、もう一度セットし直してみると解決することがあります。
- 保護テープやキャップは外しましたか?:新しいインクについていたオレンジ色のキャップや、空気穴を塞ぐ黄色いテープなどを外し忘れていないか、もう一度確認してみてください。
- ICチップが汚れていませんか?:インクカートリッジの金色の基板部分(ICチップ)が汚れていると、FAX本体が情報を読み取れずにエラーになることがあります。乾いた柔らかい布や綿棒で、優しく拭いてみてください。このとき、傷をつけないように注意しましょう。
- 本当に対応型番ですか?:購入したインクの型番が、お使いのFAXに本当に対応しているものか、箱や取扱説明書で再確認しましょう。思い込みで違う型番のものを買ってしまうケースは意外と多いものです。
- 互換インク特有の問題:互換インクの場合、FAX本体のファームウェア(本体を制御するソフトウェア)がアップデートされると、それまで使えていたインクが突然認識されなくなることがあります。
ケース2:印刷がかすれる、白いスジが入る
文字がかすれたり、横線が入ったりして、きれいに印刷できない場合の対処法です。
- ヘッドクリーニングを試す:これは最も基本的な対処法です。FAX本体の操作パネルや、パソコンのプリンター設定画面から「ヘッドクリーニング」機能を実行してください。これは、ノズルに強力にインクを流すことで、軽い目詰まりを解消する機能です。一度で改善しない場合は、少し時間を置いてから2~3回繰り返してみてください。ただし、ヘッドクリーニングはインクを多く消費するので、やりすぎには注意が必要です。
- ノズルチェックパターンを印刷する:ヘッドクリーニングとセットで覚えておきたい機能です。全てのノズルから正しくインクが噴射されているかを確認するためのパターンを印刷します。このパターンを見て、どの色が詰まっているのか、改善が見られるかなどを判断できます。
- インク残量を確認する:単純にインクがなくなっている可能性もあります。本体の表示やパソコンの画面で、インク残量を確認してみましょう。
- 長期間使っていませんでしたか?:インクジェット方式の場合、数週間から数ヶ月使わないでいると、ノズル部分でインクが固まり、目詰まりを起こしやすくなります。
ケース3:特定の色だけが出ない
カラー対応のFAXで、黒は出るのに赤だけ出ない、といった症状の場合です。
- ヘッドクリーニングとノズルチェック:かすれる場合と同様に、まずはヘッドクリーニングとノズルチェックパターン印刷を試します。パターンを見れば、どの色のノズルが詰まっているか一目瞭然です。
- 該当する色のインクを確認する:その色のインクカートリッジだけが空になっている可能性があります。残量を確認し、必要であれば交換してください。
- インクカートリッジの空気穴を確認する:カートリッジの上部に、空気を取り込むための小さな穴があります。ここがシールなどで塞がれていると、インクがうまく供給されずに色が出なくなることがあります。
ケース4:インクが漏れている
インク交換の際に手についてしまったり、FAXの内部でインクが漏れていたりする場合があります。
- カートリッジ自体の問題:輸送中の衝撃や、カートリッジ自体の成形不良などで、インクが漏れることがあります。互換インクやリサイクルインクで比較的見られやすいトラブルの一つです。
- 本体内部が汚れた場合:もしFAXの内部でインクが漏れてしまったら、電源を切り、コンセントを抜いてから、乾いたティッシュや綿棒などで優しく拭き取ります。ただし、内部の複雑な部品に触れるのは危険です。自分で対処できない範囲であれば、無理せずメーカーのサポートセンターに相談しましょう。
トラブルを未然に防ぐための日頃の心がけ
トラブルが起きてから対処するのも大切ですが、できればトラブル自体を避けたいですよね。日頃から少し気をつけるだけで、FAXを快適に使い続けることができます。
- 定期的に何か印刷する:インクジェット方式のFAXをお使いの場合、目詰まり防止のために、最低でも週に1回、できれば数日に1回は何か印刷するのが理想です。ノズルチェックパターンの印刷だけでも効果があります。
- 電源はコンセントにつないでおく:多くのFAXやプリンターは、電源が入っていると、定期的に自動でプリントヘッドの状態をチェックし、軽いクリーニングを行う機能(自動メンテナンス機能)が備わっています。節電のためにコンセントから抜いてしまうと、この機能が働かず、かえってインクの目詰まりを誘発してしまうことがあります。長期旅行などでない限りは、主電源はONのままにしておくことをお勧めします。
- 適切な保管・取り扱いを徹底する:前述したインクの正しい保管方法や、ICチップに触れないといった取り扱い方法を守ることが、トラブルの予防につながります。
もっと知りたい!FAX用インクの豆知識&Q&A
最後に、これまで解説しきれなかった細かい疑問や、知っているとちょっと得するかもしれない豆知識をQ&A形式でご紹介します。
よくある質問にお答えします!
Q. インクの使用期限って、本当に守らないとダメ?
A. インクの箱に書かれている「推奨使用期限」は、あくまでメーカーが「最高の品質を保証できる期間」として設定しているものです。期限を一日でも過ぎたら使えなくなる、というわけではありません。しかし、古くなったインクは成分が変化したり、水分が蒸発したりして、本来の性能を発揮できない可能性があります。色合いが変わったり、目詰まりの原因になったりすることも考えられるため、できるだけ期限内に使い始めることをお勧めします。特に、大切な書類を印刷する場合は、新しいインクを使う方が安心です。
Q. 違う型番のインクを混ぜて使っても大丈夫?
A. これは絶対にNGです。たとえ同じメーカーのインクであっても、型番が違えば形状やICチップの仕様、インクの成分が異なります。無理にセットしようとするとFAX本体を破損させる恐れがありますし、たとえセットできたとしても、認識エラーや故障の大きな原因となります。必ず、お使いのFAXに対応した型番のインクを使用してください。
Q. 家庭用インクジェットプリンターのインクはFAXに使える?
A. これも答えは「使えません」です。同じメーカーの製品で、インクカートリッジの見た目がそっくりでも、中身のインク成分やICチップの情報が異なります。FAX複合機はプリンター機能も持っていますが、インクは必ずそのFAX複合機専用として指定されているものを使用してください。
Q. インクを手で詰め替えるのはどうなの?
A. 使用済みのカートリッジに、ボトルに入ったインクを自分で注入する「詰め替えインク」という製品もあります。コスト面でのメリットは非常に大きいですが、デメリットも多く、初心者の方にはあまりお勧めできません。
- 手間と失敗のリスク:インクをこぼして手や服、家具を汚してしまうリスクがあります。また、うまく詰め替えられず、カートリッジを無駄にしてしまうこともあります。
- 故障の原因になりやすい:空気やホコリが混入しやすく、それがプリントヘッドの深刻な目詰まりにつながることがあります。インクの成分も純正品とは異なるため、FAX本体に悪影響を与える可能性も否定できません。
- 保証対象外:当然ながら、詰め替えインクの使用が原因で故障した場合は、メーカーの保証は一切受けられません。
メリットとデメリットをよく理解し、自己責任で行う覚悟が必要です。
Q. インク代以外で、FAXのコストを節約する方法はある?
A. はい、いくつか方法があります。
- 「見てから印刷」機能の活用:最近のFAXには、受信した内容をまず液晶画面で確認し、必要なものだけを印刷できる機能がついているものが多いです。不要なダイレクトメールなどを印刷せずに済むので、インクと紙の節約に非常に効果的です。
- 受信拒否設定:特定の番号からの迷惑FAXを、あらかじめ受信しないように設定できる機種もあります。
- 画質モードの変更:印刷時の画質を「きれい」から「ふつう」や「はやい(ドラフト)」などに変更することで、インクの消費量を抑えることができます。社内用の確認資料など、高い品質を求められない印刷物の場合に有効です。
- PC-FAXの活用:パソコンで作成した文書を、印刷せずにそのまま相手のFAXに送信できる「PC-FAX送信」機能や、受信したFAXを紙に印刷せず、パソコンの画面で確認・保存できる「PC-FAX受信」機能を持つ機種もあります。ペーパーレス化を進めることで、インク代も紙代も節約できます。
【要注意】インクリボンのセキュリティ
インクリボン(熱転写方式)をお使いの方に、一つだけ知っておいてほしい注意点があります。それは、使用済みのインクリボンから、印刷内容が読み取れてしまう可能性があるということです。
インクリボンは、熱でインクを紙に転写する仕組みです。そのため、使用済みのリボンには、転写された文字や画像が、ネガフィルムのように白く跡になって残ります。光に透かして見たり、角度を変えたりすると、何を印刷したのかが分かってしまうのです。
個人情報や会社の機密情報などを印刷した後は、使用済みのインクリボンをそのままゴミ箱に捨てるのは非常に危険です。ハサミで細かく切り刻んだり、シュレッダーにかけたりするなど、情報が漏洩しないように、責任を持って処分するように心がけましょう。
まとめ:あなたに最適なFAX用インクを見つけるために
今回は、FAX用インクについて、特定の商品をおすすめすることなく、その仕組みから選び方、トラブル対処法までを網羅的に解説してきました。非常に長い記事になりましたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
たくさんの情報をお伝えしてきましたが、最も大切なポイントをまとめると、以下のようになります。
- まずは自分のFAXの印刷方式(インクリボンか、インクカートリッジか)を理解する。
- FAX本体と、それに対応するインクの「型番」を正確に確認する。これが全ての基本です。
- 「純正品」「互換品」「リサイクル品」それぞれのメリット・デメリットを理解する。
- コスト、品質、安心感、使用頻度など、自分が何を重視するかに基づいて、インクの種類を選択する。
- トラブルを防ぐため、取扱説明書をよく読み、定期的なメンテナンスを心がける。
FAXのインク選びは、一見すると地味で面倒な作業に思えるかもしれません。しかし、今回ご紹介したような知識を持つことで、それは「自分にとって最適な選択肢を、根拠を持って選ぶ」という、積極的な行動に変わります。
この記事が、あなたのFAXライフをより快適で、安心できるものにするための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。さあ、あなたのFAXの取扱説明書を片手に、最適なインク選びを始めてみてください!

