新しいノートパソコン、欲しいな。そう思って色々調べてみても、なんだか専門用語ばかりでよくわからない…。CPU?メモリ?SSDって何?そんな風に頭を抱えていませんか?
ひとくちに「ノートPC」と言っても、その種類は星の数ほど。価格もピンからキリまであって、どれが自分に合っているのかを見極めるのは至難の業ですよね。お店の人におすすめを聞くのもいいけれど、結局は高価なモデルを勧められてしまうんじゃないか…なんて不安もよぎります。
この記事は、そんなあなたのための「ノートPC選びの羅針盤」です。この記事の最大の特徴は、特定の商品を一切紹介しないこと。おすすめランキングや、今買うべきモデル〇選!といった情報は一切ありません。その代わりに、あなたが自分自身の力で、自分にぴったりの一台を見つけ出すための「知識」と「判断基準」を、徹底的に、そしてどこよりも分かりやすく解説します。
「何のためにPCが欲しいのか」という目的探しから、CPUやメモリといったスペックの読み解き方、画面サイズやキーボードの選び方まで。この記事を読み終える頃には、あなたはきっと自信を持って、後悔しないノートPC選びができるようになっているはずです。さあ、一緒に最高のパートナー探しの旅に出かけましょう!
ノートPCとは?今さら聞けない基本のキ
まずは基本の確認から。そもそもノートPCって、他のコンピューターと何が違うのでしょうか?デスクトップPCやタブレットとの違いをしっかり理解することで、本当にあなたに必要なのがノートPCなのかが見えてきますよ。
デスクトップPCとの違い
一番大きな違いは、なんといっても「持ち運べるかどうか」です。ノートPCは、本体、ディスプレイ、キーボード、バッテリーが一体化していて、カバンに入れてどこへでも持ち運べます。家の中での移動はもちろん、カフェや図書館、会社や学校で使いたい場合には、ノートPC一択と言えるでしょう。
- 携帯性:ノートPCの圧勝です。好きな場所で作業ができます。
- 省スペース性:ノートPCは使わない時にパタンと閉じてしまっておけます。ワンルームのお部屋でも場所を取りません。一方、デスクトップPCはモニターや本体、キーボードなどを置くための専用のスペースが必要です。
- バッテリー駆動:コンセントがない場所でも使えるのがノートPCの強み。ただし、バッテリーが切れたらただの板になってしまうので、長時間の外出ではACアダプターが手放せません。
- 性能の拡張性:これはデスクトップPCに軍配が上がります。デスクトップPCはケースを開けて、メモリを増設したり、グラフィックボードを交換したりと、後から性能をパワーアップさせることが比較的簡単です。ノートPCは購入後のパーツ交換が難しいモデルがほとんどなので、最初にしっかりとしたスペックを選ぶ必要があります。
タブレットとの違い
最近はタブレットも高性能化してきて、ノートPCと何が違うの?と思う方も多いかもしれませんね。この二つの最大の違いは「文字入力のしやすさ」と「専門的な作業ができるかどうか」にあります。
- 操作方法と文字入力:タブレットは基本的に画面を直接タッチして操作します。フリック入力もできますが、長文のレポート作成など、大量の文字を入力するなら物理的なキーボードがついているノートPCの方が圧倒的に快適です。もちろん、タブレットにも外付けキーボードはありますが、膝の上で安定して作業する、といったノートPCならではの使い方は難しい場合が多いです。
- OSとソフトウェア:ノートPCのOS(WindowsやmacOS)は、多種多様なソフトウェアに対応しています。専門的な動画編集ソフトや設計ソフト、PCゲームなどは、ノートPCでないと動かせないものがほとんどです。一方、タブレットのOS(iPadOSやAndroid)は、スマホの延長線上にあるアプリが中心。手軽なゲームや動画視聴、Web閲覧にはとても強いですが、複雑な作業には向いていません。
- マルチタスク性能:複数のウィンドウを同時に開いて、資料を見ながら文章を書く、といった「ながら作業」は、画面が広く、OSもそれに最適化されているノートPCの方が得意です。
まとめると、「持ち運べて、しっかり文字入力や専門的な作業もしたい」という欲張りな願いを叶えてくれるのがノートPC、というわけですね。
ノートPCの主な種類(形状)
ノートPCと一言で言っても、実は形状によっていくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を知っておきましょう。
クラムシェル型
二枚貝(クラム)のようにパカっと開閉する、最もオーソドックスなタイプのノートPCです。みなさんが「ノートパソコン」と聞いて、まず思い浮かべるのがこの形でしょう。キーボードが本体にしっかりと固定されており、安定したタイピングが可能です。構造がシンプルなため、同じ性能なら他のタイプより安価な傾向にあります。
2-in-1(ツーインワン)型
ノートPCとしても、タブレットとしても使える、一台二役の便利なタイプです。これにはさらに2つの種類があります。
- コンバーチブル型:ディスプレイを360度回転させることで、タブレットのように使えるタイプです。キーボードを切り離すことはできませんが、テントのように立てて動画を見たり、相手に画面を見せながらプレゼンしたりと、多彩な使い方ができます。キーボードが常についている分、少し重くなる傾向があります。
- デタッチャブル型:ディスプレイとキーボードを分離できるタイプです。持ち運ぶときはキーボードを外して、軽いタブレットとして使うことができます。文章を打つときだけキーボードを装着する、といった使い方が可能です。コンバーチブル型に比べて軽量なモデルが多いですが、接続部分の構造が複雑なため、少し価格が高くなることがあります。
タッチ操作やペン入力で、イラストを描いたり、メモを取ったりしたい方には2-in-1型が魅力的な選択肢になります。ただし、一般的な作業がメインであれば、シンプルでコストパフォーマンスに優れるクラムシェル型が最も無難な選択と言えるでしょう。
失敗しないノートPC選びの7つのステップ
さて、ここからが本題です。数あるノートPCの中から、自分にぴったりの一台を見つけ出すための具体的なステップを7つに分けてご紹介します。この順番でじっくり考えていけば、きっと後悔のない選択ができますよ。
ステップ1:何に使う?利用目的を明確にしよう!
これが最も重要なステップです。どんなに高性能なPCを買っても、使い道がなければ宝の持ち腐れ。逆に、やりたいことに対して性能が足りないと、動作がカクカクしてストレスが溜まるばかりです。まずは、あなたがノートPCで「何をしたいか」をできるだけ具体的に書き出してみましょう。
ウェブサイト閲覧、動画視聴、メールチェックがメイン
インターネットを見たり、YouTubeなどの動画を楽しんだり、家族や友人とメールやLINEでやりとりしたり。こうした日常的な使い方がメインであれば、それほど高い性能は必要ありません。いわゆる「エントリーモデル」と呼ばれる価格帯のノートPCでも、十分に快適に使えるでしょう。ただし、広告がたくさん表示されるサイトや、高画質な動画をたくさん見る場合は、ある程度のメモリ容量があると安心です。
レポート作成、オンライン授業、テレワーク
大学のレポートを作成したり、Zoomなどでオンライン授業を受けたり、会社の資料を作成したり。こうした用途では、Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)などのオフィスソフトが快適に動くことが重要になります。複数の資料を開きながら作業することも多いので、CPUやメモリには少し余裕を持たせたいところです。Webカメラやマイクの性能もチェックしておくと、オンラインでのコミュニケーションがスムーズになります。
プログラミング、Webデザイン
これからプログラミングを学びたい、Webサイトを作ってみたい、という方もいるでしょう。比較的シンプルなコードを書くくらいなら標準的な性能で十分ですが、大規模な開発や、デザインツール(Adobe PhotoshopやIllustratorなど)を同時に使うとなると、それなりのパワーが必要になります。特にメモリは多めにあると、複数のツールを立ち上げても快適に作業できます。画面の解像度や色の再現性も重要になってくる分野です。
動画編集、3DCG制作
YouTubeに投稿するような動画を作ったり、本格的な映像作品を手がけたり、3Dのキャラクターや建築物を作ったり。こうしたクリエイティブな作業は、ノートPCに最も高い負荷がかかる用途の代表格です。CPU、メモリ、そして特に「GPU」と呼ばれる画像処理専門のパーツの性能が非常に重要になります。ストレージも、動画ファイルなどを大量に保存するため、大容量のものが必要になります。予算も比較的高くなることを覚悟しておきましょう。
PCゲーム
最新の3Dグラフィックを駆使したPCゲームをプレイしたい場合も、動画編集と同様に高い性能が求められます。特にGPUの性能がゲームの快適さを直接左右します。「ゲーミングPC」と呼ばれる、ゲームに特化したノートPCも存在し、冷却性能やディスプレイのリフレッシュレート(後述します)なども重要な選択基準になります。
このように、使い道によって必要な性能は大きく変わります。まずは自分の「やりたいことリスト」を作ってみるのが、賢いPC選びの第一歩です。
ステップ2:どこで使う?利用シーンを想像しよう!
次に考えるべきは、「どこで、どんな風に使うか」です。利用シーンを具体的に想像することで、選ぶべきノートPCの「サイズ」や「重さ」が決まってきます。
主に自宅で使う(据え置き)
「持ち運ぶことはほとんどないな。家の中の決まった場所でしか使わない」という方。この場合は、携帯性をあまり気にする必要はありません。むしろ、画面が大きくて見やすい15.6インチ以上のモデルがおすすめです。キーボードにもテンキー(数字専用のキー)が付いていることが多く、家計簿の入力などで数字をたくさん打つ場合に便利です。多少重くても、バッテリーの駆動時間が短くても、大きな問題にはならないでしょう。デスクトップPCの代わりとして使うイメージですね。
カフェや図書館、会社や学校に持ち運ぶ
「週に数回は外に持ち出して使いたい」という、最も一般的な使い方かもしれません。この場合、重要になるのが「サイズ」「重さ」「バッテリー駆動時間」のバランスです。
- サイズ:一般的に13インチ~14インチのモデルが「モバイルノートPC」と呼ばれ、持ち運びに適しています。A4のクリアファイルとほぼ同じか、少し小さいくらいのサイズ感です。カバンにもすっぽり収まりやすいでしょう。
- 重さ:毎日持ち運ぶなら、1.5kg以下、できれば1.2kg以下を目安にすると、肩への負担が少なくて済みます。最近では1kgを切るような驚くほど軽いモデルもあります。ただし、軽さを追求すると価格が高くなったり、性能や頑丈さが犠牲になったりすることもあるので、バランスが大切です。
- バッテリー駆動時間:外出先でコンセントが常に見つかるとは限りません。メーカーが公表しているバッテリー駆動時間は、あくまで特定の条件下での測定値なので、鵜呑みにせず、公称値で10時間以上を目安に選ぶと、実際の利用で5~6時間程度は持つことが多く、安心感があります。
自分のカバンのサイズや、普段の移動手段(電車なのか、車なのか)も考慮に入れると、より現実的な選択ができますよ。
ステップ3:予算はいくら?無理のない範囲で考えよう!
利用目的と利用シーンが見えてきたら、次はお財布との相談です。ノートPCの価格は、安いものでは数万円から、高いものでは数十万円までと非常に幅広いです。
価格と性能は、基本的には比例します。ざっくりとした価格帯と性能の関係は以下のようになります。(具体的な金額は時期やメーカーによって変動します)
- エントリーモデル(低価格帯):Web閲覧やメール、簡単な文書作成など、基本的な用途ならこなせます。しかし、複数のアプリを同時に開いたり、少し重い作業をしたりすると、動作が遅く感じられることがあります。割り切った使い方をする方向けです。
- ミドルレンジモデル(中価格帯):多くの人にとって、最もコストパフォーマンスが良い価格帯です。テレワークやオンライン授業、趣味のプログラミングなど、幅広い用途に快適に対応できます。性能と価格のバランスが取れており、長く使いたいならこの価格帯から検討するのがおすすめです。
- ハイエンドモデル(高価格帯):動画編集やPCゲーム、専門的な開発など、高い負荷のかかる作業をサクサクこなせる高性能なモデルです。最新・最高の技術が投入されており、所有する満足感も高いですが、その分価格も高くなります。自分の用途に本当にこの性能が必要なのか、見極めることが重要です。
安さだけで選んでしまうと、「やりたいことができなかった」「動作が遅くてストレスが溜まる」といった後悔につながりがちです。ノートPCは数年にわたって使うものですから、少し先のことも考えて、無理のない範囲で、できるだけ快適に使える性能のものを選ぶのが賢い選択と言えるでしょう。
ステップ4:心臓部!OS(オペレーティングシステム)を選ぼう
OS(オペレーティングシステム)は、PCを動かすための最も基本的なソフトウェアです。いわばPCの「人格」のようなもので、これが違うと操作感や使えるソフトが全く変わってきます。主に3つの選択肢がありますので、それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選びましょう。
Windows
Microsoft社が開発している、世界で最も多くのPCに搭載されているOSです。最大のメリットは、その圧倒的なシェアによる対応ソフトウェアや周辺機器(マウス、プリンターなど)の豊富さです。特殊な業界で使われる専門ソフトからフリーソフトまで、たいていのものはWindows向けに作られています。情報も多く、困ったときにインターネットで検索すれば、大抵の解決策が見つかるのも心強い点です。カスタマイズ性が高く、自分好みの設定に変えやすいのも特徴。特にこだわりがなければ、Windowsを選んでおけば大きな失敗はありません。
macOS
Apple社が自社のMacシリーズにのみ搭載しているOSです。洗練されたデザインと、直感的で分かりやすい操作性が魅力。トラックパッドの操作感は非常にスムーズで、これに慣れると他のOSには戻れないという人も多いほどです。ウイルスが比較的少ないと言われており、セキュリティ面での安心感もあります。動画編集やデザイン、音楽制作といったクリエイティブな分野で愛用者が多いのも特徴です。ただし、対応ソフトはWindowsに比べると少なく、特にフリーソフトなどはMac非対応の場合があります。また、PC本体の価格は全体的に高めです。
ChromeOS
Google社が開発した、比較的新しいOSです。インターネットに接続して、Webブラウザ「Google Chrome」上でほとんどの作業を行う、という割り切った設計思想が特徴です。動作が非常に軽快で、起動も高速。セキュリティもGoogleが管理してくれるため、ウイルス対策などをあまり意識する必要がありません。Googleドキュメントやスプレッドシートなど、Webサービスを主に使うのであれば、非常に快適です。PC本体も比較的安価なモデルが多いです。一方で、インターネット接続が前提なのでオフラインでの作業は制限されます。また、WindowsやMac用の専門的なソフトウェアは利用できません。Web閲覧や文書作成がメイン、というライトユーザー向けの選択肢と言えるでしょう。
この3つのOSに優劣はありません。あなたの使い方や、今使っているスマートフォン(iPhoneならMac、AndroidならWindowsやChromeOSと連携しやすい)との相性も考えて選ぶと良いでしょう。
ステップ5:性能の要!スペックの見方を徹底解説
さあ、いよいよ核心部分です。PCのカタログやスペック表に並ぶ、謎のカタカナや数字の意味を解き明かしていきましょう。ここを理解できれば、あなたも立派なPC選びマスターです!
CPU(中央演算処理装置)
CPUは「Central Processing Unit」の略で、よく「PCの頭脳」に例えられます。PCが行うあらゆる計算や処理を担当する、最も重要なパーツです。CPUの性能が高ければ高いほど、PC全体の動作がキビキビと速くなります。
ノートPC向けのCPUは、主に2つのメーカーが作っています。
- Intel(インテル):長年の実績と高いシェアを誇るメーカー。「Core i(コアアイ)」シリーズが有名です。
- AMD(エーエムディー):近年、性能を大きく向上させ、Intelを猛追しているメーカー。「Ryzen(ライゼン)」シリーズが主力です。
どちらのメーカーも優れており、一概にどちらが良いとは言えません。重要なのは、その「グレード」と「世代」です。
グレードの見方
グレードは、シリーズ名の後ろにつく数字で示されます。数字が大きいほど、基本的に高性能になります。
| グレード | Intel Core i シリーズ | AMD Ryzen シリーズ | 主な用途の目安 |
| エントリー | Core i3 | Ryzen 3 | Web閲覧、メール、簡単な文書作成 |
| ミドル | Core i5 | Ryzen 5 | テレワーク、オンライン授業、趣味のプログラミング |
| アッパーミドル | Core i7 | Ryzen 7 | 複数の重い作業、軽めの動画編集やゲーム |
| ハイエンド | Core i9 | Ryzen 9 | 本格的な動画編集、3DCG制作、最新PCゲーム |
一般的な使い方であれば、Core i5やRyzen 5を選んでおけば、数年間は快適に使える可能性が高いです。予算に余裕があればCore i7やRyzen 7にすると、さらに快適さが増します。
「世代」の重要性
CPUは毎年新しいものが開発されており、これを「世代」と呼びます。例えば、「Intel Core i5-1340P」という型番なら「第13世代」、「AMD Ryzen 5 7530U」なら「7000番台(世代)」ということがわかります。この世代が新しいほど、同じグレードでも性能が良い傾向にあります。古い世代のCore i7よりも、新しい世代のCore i5の方が高性能、ということも珍しくありません。型番の先頭の数字に注目して、できるだけ新しい世代のCPUを搭載したモデルを選ぶのがおすすめです。
メモリ(RAM)
メモリ(RAM)は、よく「作業机の広さ」に例えられます。CPUが処理するためのデータを一時的に置いておく場所で、この容量が大きいほど、多くのアプリケーションを同時に開いたり、大きなデータを扱ったりしても、PCの動作が安定します。
机が狭いと、書類をいちいち片付けないと次の作業ができないように、メモリが少ないとPCの動作がカクカクしてしまいます。メモリは後から増設できないモデルも多いので、最初に十分な容量を選んでおくことが非常に重要です。
用途別メモリ容量の目安
- 8GB:Web閲覧や動画視聴、Officeソフトを使った文書作成など、基本的な作業ならこなせます。しかし、ブラウザのタブをたくさん開いたり、Zoomをしながら作業したりすると、少し心もとなくなる場面も。最低限のラインと考えましょう。
- 16GB:現在の標準であり、ほとんどの人におすすめできる容量です。テレワーク、オンライン授業、プログラミング、趣味の動画編集など、幅広い用途を快適にこなせます。迷ったら16GBを選んでおけば、後悔する可能性は低いでしょう。
- 32GB以上:4K動画の本格的な編集、3DCG制作、最新のPCゲームを高画質でプレイするなど、専門的で負荷の高い作業をする方向けです。一般的な使い方では、ここまでの容量は必要ないかもしれません。
ストレージ(SSD / HDD)
ストレージは、作成したファイルや写真、インストールしたソフトウェアなどを長期間保存しておく「データの保管場所」です。本棚やクローゼットをイメージすると分かりやすいかもしれません。ストレージには、主に「SSD」と「HDD」の2種類があります。
SSD (ソリッドステートドライブ)
現在主流となっているのが、このSSDです。USBメモリなどと同じ仕組みで、物理的な駆動部分がありません。最大のメリットは、データの読み書きが圧倒的に速いこと。これにより、PCの起動やソフトウェアの立ち上がり、ファイルのコピーなどが劇的に高速になります。一度SSDの速さを体験すると、もうHDDには戻れないと言われるほどです。また、衝撃に強く、動作音も静かという長所もあります。
HDD (ハードディスクドライブ)
磁気ディスクを高速で回転させてデータを読み書きする、昔ながらのストレージです。SSDに比べて、容量あたりの価格が安いのがメリット。大容量のモデルでも比較的安価に手に入ります。しかし、読み書きの速度はSSDに遠く及ばず、物理的に駆動するため衝撃に弱く、動作音も発生します。最近のノートPCでは、HDDのみを搭載するモデルは少なくなってきています。
結論として、OSやソフトウェアをインストールするメインのストレージは、SSDが必須と言えます。快適さが全く違います。大容量のデータを保存したい場合は、SSDに加えて、外付けのHDDやクラウドストレージ(インターネット上の保管場所)を活用するのが賢い方法です。
用途別ストレージ容量の目安(SSDの場合)
- 256GB:OSと基本的なソフト、多少のファイル保存でいっぱいになってしまう可能性があります。クラウドストレージを上手に活用するなら選択肢になりますが、少し心もとない容量です。
- 512GB:写真や音楽、いくつかのソフトウェアを保存しても、ある程度の余裕があります。一般的な使い方なら、このくらいの容量があると安心です。
- 1TB (1000GB) 以上:動画ファイルやPCゲームなど、サイズの大きなデータをたくさん保存する方向け。クリエイティブな作業やゲームをするなら、1TB以上を検討しましょう。
GPU(グラフィックスプロセッシングユニット)
GPUは、映像や画像の処理を専門に行うパーツで、「映像処理専門の頭脳」と言えます。CPUにも映像処理機能は内蔵されていますが(CPU内蔵GPU)、GPUはそれよりもはるかに高度で高速な処理が可能です。
Webサイトを見たり、動画を視聴したり、Officeソフトを使ったりする程度の日常的な使い方であれば、CPU内蔵GPUで全く問題ありません。しかし、以下のような使い方をしたい場合は、独立したGPU(ディスクリートGPU、dGPUと呼ばれます)が搭載されているモデルが必要になります。
- PCゲームをプレイしたい:特に3Dグラフィックを多用するゲームでは、GPUの性能がフレームレート(1秒間に表示される画像の枚数)を左右し、快適さに直結します。
- 動画編集をしたい:編集作業のプレビューや、最終的な書き出し(エンコード)の時間を大幅に短縮できます。
- 3DCGやCAD、AI開発などを行いたい:膨大なグラフィック計算が必要になるため、高性能なGPUが必須です。
GPUの代表的なメーカーは「NVIDIA(エヌビディア)」のGeForceシリーズと、「AMD」のRadeonシリーズです。これらのGPUが搭載されているPCは、価格も高くなりますが、クリエイティブな作業やゲームを楽しみたいなら、絶対に妥協してはいけないポイントです。
ステップ6:毎日見るものだから!画面(ディスプレイ)の選び方
スペックの次に見るべきは、ディスプレイです。PCを使っている間、常に目にする部分ですから、ここが自分に合っていないと、作業効率が落ちたり、目が疲れたりしてしまいます。
サイズ
これはステップ2の「利用シーン」とも直結します。サイズはインチ(inch)で表され、ディスプレイの対角線の長さを示します。
- 11~12インチ台:非常にコンパクトで携帯性に優れますが、画面が小さいため、作業には少し窮屈に感じるかもしれません。サブ機としての用途に向いています。
- 13~14インチ台:携帯性と作業性のバランスが取れた、モバイルノートの定番サイズ。持ち運びがメインの方に最も人気があります。
- 15.6インチ台:据え置き用途の定番サイズ。画面が大きく見やすいため、複数のウィンドウを開いての作業も快適です。テンキー付きのモデルが多いのも特徴。
- 16インチ以上:迫力のある大画面で、動画視聴やクリエイティブな作業に最適です。ただし、本体も大きく重くなるため、持ち運びには向きません。
解像度
解像度は、画面にどれくらいの「点(ドット)」が集まって映像を表示しているかを示す数値です。この数値が高いほど、映像や文字がよりきめ細かく、シャープに表示されます。
- フルHD (1920 x 1080):現在のノートPCの標準的な解像度です。Web閲覧からビジネス用途まで、ほとんどの用途で十分な精細さです。まずはこの解像度を基準に考えましょう。
- WUXGA (1920 x 1200):フルHDよりも少しだけ縦に長い解像度です。この「少し」が意外と便利で、Webサイトや文書を閲覧する際に、一度に表示できる情報量が増えるため、スクロールの手間が減ります。最近増えている人気の解像度です。
- 4K (3840 x 2160):フルHDの4倍のきめ細かさ。写真や動画を非常に美しく表示できます。しかし、その分バッテリー消費が激しくなったり、文字やアイコンが小さく表示されすぎて逆に見づらく感じたりすることもあります。高精細な映像を扱うクリエイター向けの選択肢と言えます。
表面処理(グレア / ノングレア)
ディスプレイの表面の仕上げにも種類があります。これは好みが分かれるポイントです。
- グレア(光沢):ツヤツヤしたガラスのような表面です。色が鮮やかに見え、コントラストも高いため、写真や動画をきれいに楽しみたい方に向いています。ただし、照明や自分の顔が映り込みやすいというデメリットがあります。
- ノングレア(非光沢):マットな質感の表面です。光の反射を抑えるため、照明の下でも画面が見やすく、目が疲れにくいのが特徴です。長時間の文書作成など、ビジネス用途に向いています。色の鮮やかさではグレアに一歩譲ります。
パネルの種類(IPS, VA, TN)
少し専門的になりますが、液晶パネルの駆動方式にも種類があり、見え方が異なります。
- IPSパネル:視野角が広く、斜めから見ても色の変化が少ないのが最大の特徴です。色の再現性も高いため、現在のノートPCで最も広く採用されています。こだわりがなければ、IPSパネルを選んでおけば間違いが少ないでしょう。
- VAパネル:コントラストが高く、黒の表現が得意です。映画鑑賞などに向いていますが、IPSに比べると視野角は少し狭くなります。
- TNパネル:応答速度が速いため、ゲーミングモニターで採用されることが多いです。しかし、視野角が狭く、見る角度によって色が変わって見えやすいという弱点があります。
ステップ7:快適さを左右する!その他の重要ポイント
CPUや画面以外にも、使い勝手に大きく影響する細かなポイントがたくさんあります。最後にこれらをチェックしていきましょう。
キーボード
文章をたくさん打つ人にとっては、非常に重要な部分です。可能であれば、家電量販店などで実際に触れてみることを強くお勧めします。
- キーピッチ・キーストローク:キーピッチはキーの中心から隣のキーの中心までの距離、キーストロークはキーを押し込んだ時の深さです。これらが窮屈だったり浅すぎたりすると、タイピングミスが増えたり、指が疲れたりします。
- 配列:基本は日本語配列ですが、一部に英語配列のモデルもあります。特に記号の位置が異なるので注意が必要です。また、メーカーによってキーの配置が微妙に違うこともあるので、確認しておくと良いでしょう。
- テンキーの有無:15.6インチ以上のモデルには、電卓と同じように数字を打てるテンキーが付いていることが多いです。Excelなどで数字入力を多用する方は、あると非常に便利です。
- バックライトの有無:暗い場所で作業することがあるなら、キーボードバックライトは必須の機能です。キーの文字が光るため、薄暗い飛行機の中や、家族が寝静まった部屋でも快適にタイピングできます。
接続端子(ポート)
マウスや外付けモニター、USBメモリなどを接続するためのポートの種類と数も確認しておきましょう。後から「使いたい機器が繋げない!」となると大変です。
- USB Type-A:長方形の、最も一般的なUSBポートです。昔ながらのマウスやキーボード、USBメモリなどを接続するのに使います。
- USB Type-C:小さく楕円形のポートで、上下の区別なく挿せるのが特徴です。最近のノートPCでは主流になっており、映像出力やPC本体への充電(USB Power Delivery対応の場合)も兼ねる高機能なものもあります。
- Thunderbolt(サンダーボルト):USB Type-Cと同じ形状ですが、より高速なデータ転送が可能な規格です。高性能な外付けSSDや、複数の4Kモニターなどを接続する際に力を発揮します。
- HDMI:テレビやプロジェクターに映像と音声を送るための標準的なポートです。プレゼンなどで使う機会が多い方は、付いていると便利です。
- SDカードリーダー:デジタルカメラで撮った写真などを直接読み込めるので、写真が趣味の方には重宝します。
最近の薄型ノートPCはポート類が少ない傾向にあるので、自分の使いたい周辺機器に合わせて、必要なポートが揃っているか、あるいは変換アダプタやUSBハブが別途必要になるかを確認しておきましょう。
その他の機能
- Webカメラ・マイク:オンライン会議や授業で必須です。画質(HD/フルHDなど)や、ノイズを軽減してくれるマイク機能などもチェックポイントです。
- Wi-Fiの規格:Wi-Fi 6(ワイファイシックス)やWi-Fi 6Eといった新しい規格に対応していると、対応ルーターがあれば、より高速で安定した通信が期待できます。
- 生体認証(指紋・顔):パスワードを入力する代わりに、指紋や顔で素早くサインインできる機能です。セキュリティを高めつつ、手間を省けるので、一度使うと手放せなくなる便利な機能です。
購入前に知っておきたい!ノートPCにまつわるQ&A
選び方が分かってきても、まだいくつか疑問が残りますよね。ここでは、多くの人が悩むポイントをQ&A形式で解消していきます。
Q. 新品と中古、どっちがいい?
これは悩ましい問題ですね。それぞれにメリットとデメリットがあります。
新品のメリット・デメリット
メリットは、何と言ってもメーカー保証が付いていること。万が一、購入後すぐに故障しても無償で修理してもらえます。誰も使っていないピカピカの状態で、バッテリーも消耗していません。最新の性能を手に入れられるのも魅力です。
デメリットは、やはり価格が高いこと。同じような性能でも、中古品に比べると数万円以上高くなることがほとんどです。
中古のメリット・デメリット
メリットは、価格の安さです。数年前に発売されたハイエンドモデルが、新品のエントリーモデルと同じくらいの価格で手に入ることもあります。憧れのモデルを安く手に入れるチャンスです。
デメリットは、リスクが伴うこと。保証がないか、あっても短期間です。前の所有者がどんな使い方をしていたか分からないため、見た目はきれいでも内部の部品が劣化している可能性があります。特にバッテリーは消耗品なので、新品時よりも駆動時間が大幅に短くなっていることを覚悟しておく必要があります。外観に傷や汚れがあることも多いです。信頼できる販売店を選ぶことが非常に重要になります。
PCの知識に自信があり、ある程度のリスクを許容できるなら中古も選択肢になりますが、初心者の方や、安心して長く使いたい方は、新品を選ぶ方が無難と言えるでしょう。
Q. 家電量販店とネット通販、どこで買うのがいい?
これも一長一短があります。自分のスタイルに合わせて選びましょう。
家電量販店のメリット・デメリット
メリットは、実機に触れることです。キーボードの打ち心地や、ディスプレイの見え方、重さや質感などを自分の手で確かめられます。また、知識豊富な店員さんに直接相談できるのも大きな利点です。初期設定サービスなどのサポートが充実していることもあります。
デメリットは、価格がネット通販に比べて高めな傾向にあること。また、店舗に置けるモデルには限りがあるため、品揃えの面ではネットに劣ることがあります。
ネット通販のメリット・デメリット
メリットは、価格の安さと品揃えの豊富さです。各メーカーの直販サイトでは、CPUやメモリなどを自分好みにカスタマイズして注文できるBTO(Build to Order)が可能な場合もあります。自宅にいながら、じっくり比較検討できるのも魅力です。
デメリットは、実機を直接確認できないこと。届いてみたら「思っていた色と違った」「キーボードが打ちにくかった」ということも起こり得ます。購入後のサポートが電話やメールのみになることも多いです。そのため、事前にレビューなどをよく調べておく必要があります。
おすすめの方法は、まず家電量販店で気になるモデルの実機をチェックし、最終的な購入は価格を比較してネット通販で行う、というハイブリッドな方法です。
Q. Officeソフトは必要?
レポート作成や仕事で使うなら、Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)は必要になる場面が多いでしょう。ノートPCには、あらかじめOfficeがインストールされた「プリインストールモデル」と、そうでないモデルがあります。
プリインストールモデルは後から自分で購入するより割安なことが多いですが、その分PC本体の価格は高くなります。「絶対に使わない」と分かっているなら、Officeなしのモデルを選んだ方が安く済みます。
また、最近ではMicrosoft自身が提供する無料の「Web版Office」や、Googleの「Googleドキュメント」「スプレッドシート」など、インターネット上で使える無料の代替サービスも充実しています。これらは一部機能が制限されますが、基本的な作業なら十分にこなせます。自分の使い方に合わせて、本当にパッケージ版のOfficeが必要か検討してみましょう。
Q. 保証やサポートは重要?
重要です。特にPCに詳しくない方ほど、手厚い保証やサポートがあるメーカーを選ぶと安心です。多くのメーカーでは、標準で1年間の保証が付いてきます。これに加えて、保証期間を3年などに延長する「延長保証」や、水こぼしや落下などのアクシデントによる故障にも対応してくれる「物損保証」などの有料オプションが用意されています。
ノートPCは精密機器であり、決して安い買い物ではありません。万が一の事態に備えて、こうした保証への加入を検討する価値は十分にあります。
Q. セキュリティソフトは必要?
現在のWindowsやmacOSには、標準でかなり優秀なセキュリティ機能(Windows Defenderなど)が備わっており、基本的なウイルス対策はこれだけでもかなりのレベルでカバーできます。しかし、フィッシング詐欺サイトへのアクセスをブロックしたり、ネットバンキングをより安全に利用したりと、市販のセキュリティソフトにはOS標準機能にはない付加機能があります。
「絶対に安全」というものはありませんが、個人情報や金銭に関わるやりとりをPCで頻繁に行う方は、市販のセキュリティソフトを導入することで、より安心感を得られるでしょう。
長く快適に使うために!ノートPCのメンテナンスと活用術
お気に入りの一台を手に入れたら、できるだけ長く、快適に使いたいですよね。ここでは、ノートPCの簡単なメンテナンス方法と、さらに便利に使うための活用術をご紹介します。
基本的なメンテナンス
難しいことはありません。ちょっとした心がけで、PCの調子を良好に保つことができます。
- 定期的な再起動:「最近なんだか動作が重いな」と感じたら、まずは再起動を試してみましょう。電源を落とさずにスリープばかりで使っていると、不要なデータがメモリに溜まって動作が不安定になることがあります。少なくとも週に一度は再起動する習慣をつけると良いでしょう。
- ソフトウェア・OSのアップデート:OSやソフトウェアのアップデート通知が来たら、面倒くさがらずに実行しましょう。これらには、新機能の追加だけでなく、性能の改善や、セキュリティ上の弱点を修正する重要なプログラムが含まれています。
- 不要なファイルやアプリの整理:使わなくなったアプリや、ダウンロードフォルダに溜まった不要なファイルは、定期的に削除しましょう。ストレージの空き容量を確保することで、PCのパフォーマンス維持につながります。
- 外装のクリーニング:ディスプレイやキーボードは意外と汚れています。柔らかい布や、専用のクリーナーを使って優しく拭き掃除しましょう。キーボードの隙間のホコリは、エアダスターで吹き飛ばすのが効果的です。
バッテリーを長持ちさせるコツ
ノートPCのバッテリーは消耗品ですが、使い方次第で寿命を延ばすことができます。
- 高温を避ける:バッテリーは熱に非常に弱いです。直射日光が当たる場所や、夏場の車内などに放置するのは絶対にやめましょう。また、布団の上などで使って排気口を塞いでしまうと内部に熱がこもり、バッテリー劣化の原因になります。
- 満充電・過放電を避ける:バッテリーを100%のままACアダプターに繋ぎっぱなしにしたり、逆に0%のまま長期間放置したりすると、バッテリーに負荷がかかります。最近のPCには、充電量を80%程度に制限して劣化を防ぐ機能が付いているものも多いので、活用すると良いでしょう。
便利な周辺機器
ノートPCは単体でも使えますが、周辺機器を組み合わせることで、さらに快適な環境を構築できます。
- マウス:ノートPCのタッチパッドも高性能になりましたが、細かなカーソル操作やドラッグ&ドロップなどは、やはりマウスがあった方が効率的です。
- 外付けキーボード・モニター:自宅で長時間作業するなら、これらがおすすめです。大きな画面と打ちやすいキーボードを使うことで、デスクトップPCのような快適な作業環境が手に入ります。姿勢の改善にもつながります。
- USBハブ / ドッキングステーション:PCのポートが足りない場合に活躍します。USBポートだけでなく、HDMIやSDカードリーダーなどを一つにまとめたドッキングステーションを使えば、ケーブル一本で全ての周辺機器に接続できて非常にスマートです。
- PCスタンド:ノートPCの画面位置を高くすることで、目線が上がり、猫背になるのを防ぎます。タイピングしやすい角度がつくものや、冷却効果を高めるファン付きのものもあります。
まとめ:あなたにぴったりの一台を見つけよう
ここまで、本当に長い道のりでしたね。お疲れ様でした!ノートPC選びの基本から、スペックの読み解き方、そして購入後の活用術まで、幅広く解説してきました。
たくさんの情報をお伝えしましたが、最後に、一番大切なことをもう一度だけ繰り返します。それは、「あなたがノートPCで何をしたいのかを、あなた自身が理解すること」です。
高性能なCPUや大容量のメモリも、それ自体が目的ではありません。あなたが「やりたいこと」を快適に実現するための、あくまで「手段」に過ぎません。スペックの数字の大小だけに惑わされず、自分の使い方に合った性能、サイズ、機能のバランスを見極めることが、後悔しないPC選びの何よりの秘訣です。
この記事で得た知識を武器に、ぜひ様々なノートPCの情報を比べてみてください。きっと以前とは全く違う視点で、製品の良し悪しや、自分との相性が見えてくるはずです。
この記事が、あなたが最高のパートナーとなるノートPCと出会うための、確かな一助となることを心から願っています。

