「最近、パソコンの動きがなんだかモッサリする…」「アプリをいくつか開くと、すぐに固まってしまう…」そんなお悩みを抱えていませんか?もしかしたら、その原因はメモリ不足かもしれません。パソコンの性能を左右する重要なパーツである「メモリ」。このメモリを増設することで、今お使いのパソコンがまるで新品のようにサクサク快適に動くようになる可能性があります。
この記事では、特定の製品をおすすめするのではなく、パソコンのメモリ増設に関する「知りたいこと」を、AからZまで徹底的に、そして親しみやすく解説していきます。メモリってそもそも何?という基本のキから、自分のパソコンに合うメモリの選び方、具体的な増設手順、そして万が一のトラブル対処法まで、この記事一本でまるっと理解できることを目指しました。専門用語もできるだけかみ砕いて説明するので、パソコン初心者の方もご安心ください。さあ、一緒にメモリ増設の世界へ踏み出してみましょう!
そもそも「メモリ」って何?パソコンの縁の下の力持ちを徹底解剖
メモリ増設の話をする前に、まずは「メモリ」そのものが何なのかを理解しておきましょう。よく「CPU」や「SSD(ストレージ)」と混同されがちですが、それぞれ役割が全く異なります。一言でいうと、メモリは「パソコンが作業をするための机の広さ」に例えられます。
CPU・メモリ・ストレージの関係性~料理に例えてみよう~
パソコンの主要なパーツであるCPU、メモリ、ストレージの関係を、料理に例えてみると非常に分かりやすいです。
- CPU(中央処理装置):料理人。性能が良いCPUほど、手際よく素早く調理ができます。
- ストレージ(SSDやHDD):冷蔵庫や食器棚。食材や調理器具(データやプログラム)を保管しておく場所です。容量が大きいほど、たくさんのものをしまっておけます。
- メモリ:調理台(まな板スペース)。冷蔵庫から出した食材を広げ、実際に調理を行う作業スペースです。
料理をするとき、どんなに腕の良い料理人(高性能なCPU)がいても、どんなに大きな冷蔵庫(大容量ストレージ)があっても、調理台(メモリ)が狭かったらどうでしょう?一度に広げられる食材や道具が少ないため、いちいち冷蔵庫から出し入れする必要があり、作業効率がガクンと落ちてしまいますよね。これと同じことがパソコン内部でも起こっているのです。
ストレージ(冷蔵庫)からデータやプログラム(食材)を取り出し、メモリ(調理台)に広げて、CPU(料理人)が処理をする。これがパソコンの基本的な動作イメージです。つまり、メモリの容量が大きければ大きいほど、一度にたくさんの作業を効率的に行えるということになります。
メモリが不足すると、どうしてパソコンは遅くなるの?
では、メモリ(調理台)が足りなくなると、パソコンはどうなってしまうのでしょうか。現実の調理台なら、食材が乗り切らずに床に落ちてしまいますが、パソコンはもう少し賢くできています。
メモリがいっぱいになると、パソコンは「仮想メモリ」という仕組みを使い始めます。これは、メモリに載せきれなくなったデータを、一時的に低速なストレージ(SSDやHDD)の一部を借りて退避させる技術です。先ほどの料理の例えで言うと、調理台が狭いので、あまり使わない食材を一度冷蔵庫に戻すようなイメージです。
一見すると便利な機能ですが、ここに大きな落とし穴があります。メモリとストレージでは、データの読み書き速度に圧倒的な差があるのです。メモリが超高速な作業台だとすれば、ストレージは出し入れに時間がかかる倉庫のようなもの。頻繁に仮想メモリへのデータの退避・呼び出し(これを「スワップ」と呼びます)が発生すると、CPUはその間待たされてしまい、結果としてパソコン全体の動作がカクカクしたり、一時的にフリーズしたりする「処理の遅延」が起きてしまうのです。これが、メモリ不足でパソコンが重くなる最大の理由です。
具体的には、以下のような症状が現れやすくなります。
- パソコンの起動やシャットダウンに時間がかかる。
- アプリケーションの起動が遅い。
- ブラウザでタブをたくさん開くと、ページの表示が遅くなったり、反応しなくなったりする。
- 複数のアプリケーションを同時に使うと、動作が極端に重くなる。
- 文字入力が遅れて表示される。
- コピー&ペーストのような単純な作業でも待たされる。
- 「メモリが不足しています」という警告メッセージが表示される。
もし、これらの症状に心当たりがあるなら、メモリ増設を検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
本当に必要?メモリ増設のメリットとデメリット
メモリ増設がパソコンの動作改善に繋がりそうだ、ということはお分かりいただけたかと思います。しかし、実際に増設に踏み切る前に、そのメリットとデメリットを冷静に比較検討しておくことが大切です。
メモリ増設で得られる!うれしいメリット
メモリを増設することで得られる主なメリットは、なんといってもパソコンの動作が快適になることです。具体的には、以下のような改善が期待できます。
- 処理速度の向上:メモリ不足による速度低下(スワップの発生)が解消され、パソコン全体のレスポンスが向上します。アプリケーションの起動やファイルの読み込みが速くなることを体感しやすいでしょう。
- 複数タスクの安定化:Webブラウザでたくさんのタブを開きながら、文書作成ソフトやチャットツールを同時に使う、といったマルチタスクがスムーズに行えるようになります。アプリの切り替えもサクサク進みます。
- 高負荷な作業への対応力アップ:動画編集、RAW画像の現像、最新の3Dゲームなど、大量のメモリを消費する作業も、メモリ不足を気にすることなく快適に進められるようになります。レンダリング時間の短縮や、カクつきの軽減につながることもあります。
- パソコンの寿命を延ばすことにも:メモリ不足の状態は、ストレージへのアクセスが頻繁に発生するため、特にHDDにとっては負担が大きくなります。メモリを増設してストレージへの負荷を減らすことは、間接的にパソコンを構成するパーツの寿命を延ばすことにも繋がる可能性があります。
- コストパフォーマンス:パソコンの動作改善策として、CPUの交換やパソコン自体の買い替えは高額になりがちです。それに比べてメモリ増設は、比較的少ない投資で大きな体感効果を得やすい、コストパフォーマンスに優れたアップグレード方法と言えます。
知っておきたい!メモリ増設のデメリットと注意点
一方で、メモリ増設にはいくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを理解しておかないと、「せっかく増設したのに意味がなかった…」なんてことにもなりかねません。
- コストがかかる:当然ですが、メモリ部品の購入費用がかかります。メモリの価格は、規格や容量、そして時期によって変動します。特に、最新規格のメモリや大容量のメモリは高価になる傾向があります。
- 相性問題が発生する可能性がある:パソコンのパーツには「相性」と呼ばれる問題が存在し、メモリも例外ではありません。規格が合っているはずなのに、なぜか正常に動作しない、というケースが稀にあります。これは、メモリチップやマザーボードの微妙な仕様の違いによって発生すると言われています。
- 取り付けの手間とリスク:メモリの増設は、パソコンのケースを開けて内部の基板を触る作業です。手順自体はそれほど難しくありませんが、精密機器であるため、静電気や物理的な衝撃によってパーツを破損させてしまうリスクがゼロではありません。自信がない場合は、無理せず専門業者に依頼することも検討しましょう。
- 効果が感じられないケースもある:パソコンが遅い原因がメモリ不足でない場合、メモリを増設しても体感速度はほとんど変わりません。例えば、CPUの性能が根本的に低い場合や、ストレージ(特にHDD)の速度がボトルネックになっている場合、あるいはウイルスに感染している場合などです。メモリ増設は、あくまでメモリ不足が原因の速度低下に対する特効薬です。
- パソコンの保証が切れる可能性:メーカーやモデルによっては、ユーザーがパソコンのケースを開けた時点で、メーカー保証の対象外となる場合があります。特にノートパソコンではその傾向が強いです。増設作業を行う前に、お使いのパソコンの保証規定を必ず確認してください。
これらのメリット・デメリットを天秤にかけ、ご自身のパソコンの状況やスキル、予算と照らし合わせて、メモリ増設を行うかどうかを判断することが重要です。
まずは現状把握から!自分のパソコンに必要なメモリ容量を知る方法
「よし、メモリを増設しよう!」と決心したら、次に行うべきは現状の把握です。やみくもに大容量のメモリを買っても、宝の持ち腐れになってしまうかもしれません。まずは、自分のパソコンに現在どれくらいのメモリが搭載されていて、普段どれくらい使っているのかを確認し、適切な増設容量を見極めましょう。
ステップ1:現在の搭載メモリ容量を確認しよう
今、お使いのパソコンに何GBのメモリが搭載されているか、ご存知ですか?まずはここから確認です。OSごとに手順が異なります。
Windowsの場合 (Windows 10 / 11)
- デスクトップ画面下のタスクバーで、何もないところを右クリックし、「タスク マネージャー」を選択します。
- タスク マネージャーのウィンドウが開いたら、左側のメニューから「パフォーマンス」タブ(グラフのアイコン)をクリックします。
- 「メモリ」の項目を選択します。
- 右上に大きく表示されている数字が、現在パソコンに搭載されている合計メモリ容量です。(例:16.0 GB)
Macの場合 (macOS)
- 画面左上のアップルメニューをクリックし、「このMacについて」を選択します。
- 概要タブに、お使いのMacのモデル名やシリアル番号などと一緒に「メモリ」という項目があります。そこに表示されているのが合計メモリ容量です。(例:8 GB 2133 MHz LPDDR3)
ステップ2:現在のメモリ使用状況を確認しよう
次に、普段パソコンを使っているときに、メモリがどれくらい消費されているかを確認します。これにより、メモリが本当に足りていないのか、増設するならどれくらいが適切かの判断材料になります。
確認する際は、普段通りの使い方をしているときに見るのがポイントです。例えば、いつもWebブラウザとOfficeソフトと音楽アプリを同時に使っているなら、それらをすべて起動した状態で確認しましょう。
Windowsの場合 (Windows 10 / 11)
先ほどと同じく「タスク マネージャー」の「パフォーマンス」→「メモリ」画面を見ます。グラフの下に「使用中 (圧縮)」や「コミット済み」といった情報が表示されています。特に注目したいのが、グラフ部分です。このグラフが常に80%や90%を超えているようなら、メモリが不足している可能性が高いと言えます。
また、「コミット済み」の右側に表示されている分数(例:10.5/18.9 GB)の、左側の数字が右側の数字(搭載メモリ容量+ページファイルサイズ)に近づいている場合も、メモリが圧迫されているサインです。
Macの場合 (macOS)
- 「アプリケーション」フォルダの中の「ユーティリティ」フォルダにある「アクティビティモニタ」を起動します。
- ウィンドウ上部の「メモリ」タブをクリックします。
- ウィンドウ下部に「メモリプレッシャー」というグラフが表示されます。このグラフの色が、緑色なら余裕あり、黄色ならやや圧迫、赤色ならメモリ不足でパフォーマンスに影響が出ている状態を示します。
このメモリプレッシャーが頻繁に黄色や赤色になっている場合は、メモリ増設の効果を大いに期待できるでしょう。
ステップ3:用途別・必要なメモリ容量の目安
現状を把握した上で、今後の使い方を考慮して目標となるメモリ容量を決めましょう。以下に、一般的な用途別のメモリ容量の目安をまとめました。これはあくまで目安であり、使い方によって最適な容量は変わってきます。
| メモリ容量 | 主な用途と快適度の目安 |
| 4GB | 最低限のライン。OSを動かすだけで精一杯な場合も。Webサイト閲覧やメール、簡単な文書作成など、単一のタスクならなんとかこなせますが、複数のアプリを同時に使うのは厳しいかもしれません。今、新品でこの容量のパソコンを選ぶのはあまりおすすめできません。 |
| 8GB | 標準的なライン。Webサイト閲覧、動画視聴、Officeソフトを使った書類作成など、日常的な使い方であれば、多くの場面で快適に動作するでしょう。複数のアプリを同時に立ち上げても、ある程度はスムーズに動きます。ライトな使い方なら十分ですが、少し凝ったことを始めると物足りなさを感じるかもしれません。 |
| 16GB | おすすめの快適ライン。一般的な用途であれば、まずメモリ不足を感じることはないでしょう。複数のアプリやブラウザのタブを大量に開いてもサクサク動きます。簡単な動画編集や写真編集、プログラミング、多くのPCゲームなども快適にプレイできる容量です。コストとパフォーマンスのバランスが良い選択肢です。 |
| 32GB | クリエイターやゲーマー向けのライン。4K動画の本格的な編集、高解像度のRAW画像現像、複雑な3Dモデリング、最新の高画質PCゲームを最高設定でプレイしながら配信する、といった高負荷な作業を快適に行いたい方向けです。仮想マシンを複数動かすような使い方にも適しています。 |
| 64GB以上 | プロフェッショナル・専門家向けのライン。業務レベルでのCG制作、大規模なソフトウェア開発、科学技術計算、サーバー用途など、極めて専門的で膨大なメモリを必要とする作業を行うユーザー向けです。一般的な使い方では、まず必要になることはないでしょう。 |
例えば、現在8GBのメモリを搭載していて、タスクマネージャーで使用率が常に高い状態であり、今後は簡単な動画編集にも挑戦してみたい、と考えているなら、16GBへの増設が有力な候補になります。このように、「現在の使用状況」+「今後の使い方」で目標容量を決めるのが賢い方法です。
失敗しない!増設メモリの選び方パーフェクトガイド
目標のメモリ容量が決まったら、いよいよ購入するメモリを選ぶ段階です。ここがメモリ増設における最大の難関であり、最も重要なポイントです。間違ったメモリを選んでしまうと、お金が無駄になるだけでなく、パソコンが起動しなくなるなどのトラブルに繋がります。焦らず、一つ一つ着実に確認していきましょう。
このセクションでは、特定の商品を紹介するのではなく、あなたのパソコンにピッタリ合うメモリを見つけるための「選び方の手順と思考プロセス」を徹底解説します。
大前提:まずは自分のパソコンの「仕様」を正確に知る
メモリを選ぶ前に、メモリを取り付ける側、つまりあなたのパソコンがどのようなメモリに対応しているのかを正確に把握する必要があります。確認すべき主な項目は以下の通りです。
- パソコンの種類:デスクトップPCか、ノートPCか。
- 最大搭載可能メモリ容量:パソコンが認識できるメモリの最大容量。
- メモリスロットの数と空き状況:メモリを挿す場所(スロット)がいくつあり、現在いくつ使われているか。
これらの情報は、お使いのパソコンのメーカー公式サイトにある製品仕様ページや、付属の取扱説明書(マニュアル)で確認するのが最も確実です。製品名や型番で検索すれば、すぐに見つかるはずです。もし情報が見つからない場合は、CPU-ZやHWiNFOといった無料のシステム情報表示ソフトを使って調べる方法もあります。
メモリ選びの重要チェック項目
パソコンの仕様が分かったら、次はいよいよメモリ自体の仕様を確認していきます。主に以下の5つのポイントをチェックしてください。
チェックポイント1:メモリの種類(規格)
メモリにはいくつかの「規格」があり、世代によって互換性がありません。古い世代のパソコンに新しい世代のメモリを挿すことはできませんし、その逆も不可能です。スロットの切り欠きの位置が物理的に違うため、間違った規格のメモリは挿さらないようになっています。
主なデスクトップPC用メモリの規格には、以下のようなものがあります。新しいものほど高性能(転送速度が速い)です。
- DDR5 SDRAM (PC5):2020年頃から登場した最新世代の規格。非常に高速です。
- DDR4 SDRAM (PC4):2014年頃から普及し、現在も多くのパソコンで採用されている主流の規格です。
- DDR3 SDRAM (PC3):DDR4の一つ前の世代。2014年以前の少し古めのパソコンで採用されています。
- DDR2 SDRAM (PC2):さらに古い世代の規格。現在ではほとんど見かけません。
自分のパソコンがどの規格に対応しているかは、必ず製品仕様で確認してください。例えば仕様に「DDR4-3200」と書いてあれば、DDR4規格のメモリを選ぶ必要があります。
チェックポイント2:フォームファクタ(形状)
メモリには、その物理的な大きさや形状を示す「フォームファクタ」があります。主に2種類です。
- DIMM (Dual Inline Memory Module):主にデスクトップPCで使われる、長方形の大きなメモリです。「U-DIMM」と表記されることもあります。
- SO-DIMM (Small Outline DIMM):主にノートPCや、一部の省スペース型デスクトップPCで使われる、DIMMの半分くらいの大きさの小さなメモリです。
デスクトップPCにはDIMMを、ノートPCにはSO-DIMMを選ぶのが基本です。これも物理的なサイズが全く違うので、間違えるとスロットに収まりません。
チェックポイント3:動作クロック(転送速度)
メモリの規格名と一緒によく表記されている「DDR4-3200」や「PC4-25600」といった数字。これはメモリの動作速度を示すものです。
- 動作クロック:「DDR4-3200」の「3200」の部分。3200MHzで動作することを示します。数値が大きいほど高速です。
- モジュール規格:「PC4-25600」の「25600」の部分。データの最大転送速度(MB/s)を示します。これは「動作クロック × 8」で計算できます(3200 × 8 = 25600)。
基本的には、パソコンの仕様で対応しているクロックのメモリを選ぶのがセオリーです。例えば、パソコンがDDR4-3200まで対応している場合、DDR4-3200のメモリを選ぶのがベストです。もし、対応クロックより高速なメモリ(例:DDR4-3600)を取り付けた場合、パソコンの対応クロックに合わせて低い方(DDR4-3200)で動作することがほとんどです。逆に、遅いメモリ(例:DDR4-2666)を取り付けた場合は、その遅い速度で動作します。
異なるクロックのメモリを混在させる場合は注意が必要です。例えば、すでに刺さっているDDR4-3200のメモリに、新しくDDR4-2666のメモリを追加した場合、システム全体が遅い方のDDR4-2666に合わせて動作します。性能を最大限に引き出すためには、同じクロックのメモリで揃えるのが理想です。
チェックポイント4:容量と枚数
「自分のパソコンに必要なメモリ容量を知る方法」のセクションで決めた目標容量を、どのように実現するかを考えます。ここで重要になるのが「デュアルチャネル」という技術です。
デュアルチャネルとは、同じ規格・同じ容量のメモリを2枚1組で使うことで、メモリへのデータ転送路が2倍になり、転送速度を向上させる技術です。これにより、パソコンのパフォーマンスをさらに引き出すことができます。多くのマザーボードがこの技術に対応しています。
- 例1:合計16GBにしたい場合
- 良い選択:8GBのメモリを2枚購入し、デュアルチャネルで動作させる。
- 次善の選択:16GBのメモリを1枚購入する。(将来さらに16GBを増設して32GBにする余地がある)
- 例2:現在8GB(4GB×2枚)で、合計16GBにしたい場合(メモリスロットが4本ある)
- 良い選択:新たに4GBのメモリを2枚購入し、合計4枚でデュアルチャネルを維持する。
- 別の良い選択:既存の4GB×2枚を取り外し、新たに8GBのメモリを2枚購入して取り付ける。
このように、同じ容量・同じ規格のメモリを2枚または4枚セットで購入するのが、性能面で最もおすすめです。メモリは2枚組セットで販売されていることも多いので、そういった製品を選ぶのも良いでしょう。
また、パソコンの仕様で「最大搭載容量」と「メモリスロット数」を必ず確認してください。例えば、最大16GBでスロットが2つしかないパソコンに、16GBのメモリを2枚挿して32GBにすることはできません。
チェックポイント5:その他の仕様(CASレイテンシ、ECCなど)
さらにこだわりたい方向けの、少し専門的な項目です。
- CAS Latency (CL):メモリの応答速度を示す値で、「CL16」「CL22」のように表記されます。数値が小さいほど応答が速く、高性能です。同じ規格・クロックであれば、CL値が小さいメモリの方が若干高性能ですが、体感できるほどの差はないことが多いです。ゲームなどで少しでもパフォーマンスを追求したい場合に注目すると良いでしょう。異なるCL値のメモリを混在させた場合、遅い方(数値が大きい方)に合わせて動作します。
- ECC (Error Check and Correct):データのエラーを自動で検出・訂正する機能です。サーバーやワークステーションなど、極めて高い信頼性が求められるシステムで使われる特殊なメモリで、対応するマザーボードやCPUも必要です。一般的なコンシューマー向けパソコンでは非対応(Non-ECC)のメモリが使われており、ECCメモリは必要ありませんし、使えません。
基本的には、自分のパソコンの仕様書にECCに関する記述がなければ、気にしなくて大丈夫です。「Non-ECC」と書かれた一般的なメモリを選びましょう。
まとめ:メモリ選びの思考フロー
- パソコンの型番からメーカーサイトで仕様を確認する。
- 「対応メモリ規格(DDR5/DDR4など)」と「フォームファクタ(DIMM/SO-DIMM)」を確定する。これが絶対条件。
- 「最大搭載容量」と「メモリスロット数・空きスロット数」を把握する。
- 「用途別・必要なメモリ容量の目安」を参考に、目標とする合計容量を決める。
- 性能を引き出すため、「同じ容量のメモリを2枚組」で、目標容量になるように構成を考える。(例:16GBなら8GB×2枚)
- パソコンが対応している「動作クロック」を確認し、それに合ったメモリを選ぶ。
- (こだわりたい場合)「CASレイテンシ(CL値)」が小さいものを選ぶ。
この手順で絞り込んでいけば、あなたのパソコンに最適なメモリのスペックが自ずと見えてくるはずです。焦らず、じっくりと仕様書とにらめっこしてみてください。
いざ実践!メモリ増設の具体的な手順【写真不要の徹底解説】
購入するメモリが決まったら、いよいよ取り付け作業です。パソコン内部を触るので少し緊張するかもしれませんが、手順をしっかり守れば決して難しい作業ではありません。ここでは、デスクトップPCとノートPC、それぞれの一般的な増設手順を解説します。作業前には必ずパソコンの取扱説明書にも目を通してください。モデルによってケースの開け方やメモリスロットの位置が異なる場合があります。
作業前の最重要準備!これだけは絶対に守って!
精密機器であるパソコンパーツを扱う上で、最も注意すべきは「静電気」と「電源」です。
- データのバックアップ:万が一の事態に備え、作業前には必ず重要なデータのバックアップを取っておきましょう。これはどんなパソコン作業でも基本中の基本です。
- パソコンのシャットダウン:スリープや休止状態ではなく、必ずOSのメニューから「シャットダウン」を選択し、完全に電源を切ります。
- 電源ケーブルを抜く:シャットダウンしただけでは、マザーボードに微弱な電流(待機電力)が流れている場合があります。感電やショートを防ぐため、パソコン本体から電源ケーブルを必ず抜いてください。ノートPCの場合は、ACアダプターを外し、可能であればバッテリーも取り外します。
- 静電気対策:これが一番大事です!人間の体に溜まった静電気がメモリやマザーボードの電子回路に流れると、一瞬でパーツを破壊してしまうことがあります。
- 作業前に、窓のサッシや水道の蛇口など、大きな金属に触れて体に溜まった電気を逃がしましょう(放電)。
- 静電気防止用の手袋やリストストラップ(アースバンド)があると、より安全に作業できます。
- セーターなど、静電気を発生させやすい服装での作業は避けましょう。
準備するものリスト
- 購入した増設メモリ
- プラスドライバー(パソコンのケースやカバーのネジに合うもの)
- (推奨)静電気防止手袋 or リストストラップ
- (あれば便利)懐中電灯やヘッドライト(PC内部は暗いことが多い)
- パソコンの取扱説明書
【デスクトップPC編】メモリ増設手順
デスクトップPCは内部スペースに余裕があるため、比較的作業しやすいです。
- パソコンケースを開ける:通常、パソコンの側面パネル(マザーボードが見える側)を固定しているネジ(手で回せるタイプも多い)をドライバーで外し、パネルをスライドさせて取り外します。
- メモリスロットを探す:マザーボード上にある、細長いスロットがメモリスロットです。通常、CPUソケットの近くに2本または4本並んでいます。すでにメモリが刺さっている場合もあれば、空のスロットもあるでしょう。
- 古いメモリを取り外す(交換の場合):メモリスロットの両端にある白い(または黒い)ラッチ(留め具)を、外側に「カチッ」と音がするまで押し広げます。すると、メモリが少し浮き上がるので、そのまま真上に引き抜きます。
- 新しいメモリを取り付ける:ここが一番のポイントです。
- メモリ基板の下部にある切り欠きの位置と、メモリスロット側にある突起の位置をよく確認します。この位置は規格によって異なり、向きが違うと絶対に挿さりません。
- 向きが合っていることを確認したら、メモリをスロットの真上から、垂直に「グッ」と押し込みます。
- 両端のラッチが自動的に「カチッ」と音を立てて閉まり、メモリが固定されるまで、メモリの上部を両手の親指で均等に、しっかりと押し込んでください。中途半端な差し込みは、認識不良や故障の原因になります。
- 増設・デュアルチャネルの注意点:メモリスロットが4本あり、2枚のメモリを増設してデュアルチャネルにする場合、挿すスロットの組み合わせが決まっています。通常、マザーボード上で同じ色のスロット同士(例:青色スロット2本と黒色スロット2本)、あるいは1番と3番、2番と4番といった組み合わせで指定されています。詳しくはマザーボードの取扱説明書で確認してください。
- ケースを閉じる:メモリがしっかり取り付けられたことを確認したら、外した側面のパネルを元通りに取り付け、ネジを締めます。
- ケーブル類を接続する:最後に、電源ケーブルやモニター、キーボードなどをすべて接続し直します。
【ノートPC編】メモリ増設手順
ノートPCは内部が密集しているため、デスクトップPCより少しだけ作業が慎重になります。モデルによって分解の難易度が大きく異なるのが特徴です。
- メモリ増設用のカバーを探す:ノートPCの底面を見ると、ネジ1~2本で留められた小さなカバーがある場合があります。これがメモリ増設用のアクセスパネルです。このタイプは比較的簡単です。
- 底面カバー全体を外す:薄型のノートPCなどでは、メモリスロット専用のカバーがなく、底面のカバー全体を取り外す必要があります。多数のネジを外す必要があったり、ツメで固定されていたりするので、無理にこじ開けず、取扱説明書やメーカーサイトの分解ガイドなどを参考に、慎重に作業してください。
- バッテリーを取り外す:取り外し可能なバッテリーの場合は、必ず作業前に外しておきましょう。内蔵型の場合は、マザーボード上のバッテリーコネクタを外すのが理想ですが、難しい場合は無理せず、電源が完全に切れていることを確認して作業を進めます。
- メモリスロットを探す:カバーを外すと、SO-DIMMスロットが見つかります。多くのノートPCでは、メモリが斜めに重なるように2段で配置されています。
- 古いメモリを取り外す(交換の場合):メモリスロットの両側にある銀色の金属製クリップ(ラッチ)を、同時に外側に開きます。すると、メモリがポンと斜め45度くらいの角度に跳ね上がります。その角度のまま、メモリをスロットから引き抜きます。
- 新しいメモリを取り付ける:
- 取り外したときと同じように、メモリの切り欠きとスロットの突起を合わせ、斜め45度くらいの角度でスロットの奥までしっかりと挿し込みます。
- メモリを挿し込んだら、基板の上部を指で押し下げて、水平になるように倒します。
- 両側の金属クリップが「カチッ」と音を立ててメモリを固定すれば、取り付け完了です。
- カバーを閉じる:外したカバーを元通りに取り付け、ネジを締めます。バッテリーも忘れずに取り付けましょう。
- ACアダプターを接続する:ACアダプターを接続して、作業完了です。
増設は成功した?必ず行いたい動作確認とチェック項目
メモリの物理的な取り付け作業が終わっても、まだ安心はできません。パソコンが新しいメモリを正しく認識し、安定して動作するかを確認するまでが「メモリ増設」です。この最終チェックを怠ると、後々原因不明の不調に悩まされることにもなりかねません。
ステップ1:BIOS/UEFIでの認識確認
OSが起動する前に、まずはパソコンの最も基本的な制御プログラムである「BIOS(バイオス)」または「UEFI(ユーイーエフアイ)」の画面で、メモリがハードウェアとして正しく認識されているかを確認します。
- パソコンの電源を入れます。
- 電源投入直後、メーカーのロゴなどが表示されている間に、特定のキー(多くは[Delete]キー、[F2]キー、[F1]キーなど。機種によって異なります)を連打します。タイミングが分からない場合は、電源を入れた直後から押しっぱなしにするか、連打し続けてみてください。
- 青やグレー、あるいはグラフィカルな設定画面が表示されたら、それがBIOS/UEFI画面です。
- 画面内の「Main」や「System Information」といったメニューを探します。そこに「Total Memory」や「Installed Memory」のような項目があり、増設後の合計メモリ容量が表示されていれば第一段階は成功です。(例:16384 MB や 16.0 GB など)
- もしここで増設前の容量しか表示されていなかったり、パソコンが起動すらしなかったりする場合は、メモリが正しく挿さっていない可能性が高いです。一度電源を切り、再度取り付け手順を確認してください。
- 容量が正しく認識されていれば、設定は何も変更せずに「Save and Exit(保存して終了)」または「Exit Without Saving(保存せずに終了)」を選択してBIOS/UEFI画面を終了し、パソコンを再起動します。
ステップ2:OS上での認識確認
次に、WindowsやMacといったOS上でもメモリ容量が正しく認識されているかを確認します。これは、増設前に搭載メモリ容量を確認したときと全く同じ手順です。
Windowsの場合
「タスク マネージャー」を開き、「パフォーマンス」タブの「メモリ」項目で、右上の合計容量が増設後のものになっているかを確認します。
Macの場合
アップルメニューから「このMacについて」を開き、表示されるメモリ容量が増設後のものになっているかを確認します。
ここでも容量が正しく表示されていれば、OSレベルでの認識は完了です。おめでとうございます!
ステップ3:メモリの安定性テスト(推奨)
容量が正しく認識されていても、メモリに初期不良があったり、相性問題が潜んでいたりすると、高負荷な作業をしたときに突然ブルースクリーンになったり、フリーズしたりすることがあります。それを未然に防ぐために、メモリに負荷をかけて安定性をチェックする「メモリ診断」の実施を強くおすすめします。
Windows標準の「Windows メモリ診断」
Windowsには、標準でメモリ診断ツールが搭載されています。手軽に実行できるので、ぜひ試してみてください。
- [Windows]キー + [R]キーを同時に押して、「ファイル名を指定して実行」ダイアログを開きます。
- 名前の入力ボックスに「mdsched.exe」と入力し、[OK]をクリックします。
- 「Windows メモリ診断」のウィンドウが表示されるので、「今すぐ再起動して問題の有無を確認する (推奨)」を選択します。
- パソコンが自動的に再起動し、青い背景のメモリ診断ツールが起動します。テストが自動で開始され、完了するまでには数十分から数時間かかる場合があります。
- テストが完了すると、パソコンは再び自動で再起動し、Windowsが起動します。
- ログイン後、デスクトップ右下に「メモリの問題は検出されませんでした。」といった通知が表示されれば、メモリは正常です。もしエラーが検出された場合は、メモリの初期不良や相性問題の可能性が高いです。
より高度で詳細なテストを行いたい場合は、「MemTest86」などの有名なフリーソフトを利用する方法もありますが、まずはWindows標準のツールでチェックするだけでも十分な安心感が得られます。
これらの確認作業をすべてクリアして、初めてメモリ増設は「成功」と言えます。快適になったパソコンライフをお楽しみください!
困ったときの駆け込み寺!メモリ増設トラブルシューティング
慎重に作業したつもりでも、予期せぬトラブルが発生することはあります。しかし、慌てる必要はありません。メモリ増設後のトラブルは、原因の切り分けを冷静に行えば、多くの場合解決できます。ここでは、よくある症状とその対処法をまとめました。
症状1:パソコンの電源は入るが、画面が真っ暗なまま起動しない(Beep音が鳴ることも)
これはメモリ増設後、最もよく遭遇するトラブルの一つです。原因のほとんどは、メモリの接触不良か、規格間違いです。
- 対処法1:メモリの挿し直し
最も可能性が高い原因です。一度パソコンの電源を完全に切り、電源ケーブルを抜いてから、再度メモリを取り付け直してみてください。ラッチが「カチッ」と閉まるまで、しっかりと均等に力を入れて押し込むのがコツです。ほんの少しの浮きが接触不良に繋がります。
- 対処法2:メモリスロットの変更
特定のメモリスロットの不調も考えられます。別の空きスロットに挿し替えてみてください。2枚挿しの場合は、マニュアルで推奨されている組み合わせ以外のスロット(例:1番と2番)も試してみる価値があります。
- 対処法3:CMOSクリア(BIOS/UEFIリセット)
新しいメモリを正常に認識できず、BIOS/UEFIの設定が混乱している場合があります。マザーボード上のボタンやジャンパピン、あるいはボタン電池を一度外して数分待つことで、設定を工場出荷時の状態に戻す「CMOSクリア」を試すと、起動することがあります。詳しい手順はマザーボードの取扱説明書を確認してください。
- 対処法4:元のメモリに戻してみる
新しいメモリをすべて外し、元々刺さっていたメモリだけに戻して起動を確認します。これで正常に起動するなら、購入した新しいメモリ自体に問題がある(初期不良)か、パソコンとの相性問題である可能性が高くなります。
症状2:OSは起動するが、メモリ容量が正しく認識されない
BIOS/UEFIやOS上で、増設したはずのメモリ容量が反映されていない、あるいは増設前と同じ容量で表示されるケースです。
- 対処法1:メモリの挿し直し
これも接触不良が原因であることが多いです。「症状1」と同様に、しっかりと挿し直しを行ってください。特に、複数のメモリのうち1枚だけが認識されていない場合などは、そのメモリの接触不良が疑われます。
- 対処法2:32bit版OSの制限
非常に稀なケースですが、お使いのWindowsが32bit版の場合、OSの仕様上、約3GB~3.5GB程度までしかメモリを認識・利用できません。たとえ8GBや16GBのメモリを搭載しても、宝の持ち腐れになってしまいます。Windowsの設定から「システムの種類」を確認し、「32ビット オペレーティングシステム」と表示されている場合は、64bit版のOSをクリーンインストールし直さない限り、4GB以上のメモリは活用できません。(現在のほとんどのパソコンは64bit版です)
- 対処法3:パソコンの最大搭載容量の再確認
パソコンの仕様で定められた最大搭載容量を超えてメモリを増設した場合、超過分は認識されません。もう一度、パソコンの製品仕様ページで最大搭載容量を確認してみましょう。
症状3:OSは起動し容量も認識されているが、動作が不安定(フリーズ、ブルースクリーンなど)
一見成功したように見えて、しばらく使っていると突然フリーズしたり、青い画面にエラーメッセージが表示される「ブルースクリーン(BSoD)」が頻発したりする厄介な症状です。メモリの品質や相性問題が原因であることが多いです。
- 対処法1:メモリ診断の実行
まずは「Windows メモリ診断」や「MemTest86」といったツールで、メモリにエラーがないか徹底的にチェックします。ここでエラーが検出された場合は、メモリの初期不良が確定的なので、購入店に連絡して交換や返品の相談をしましょう。
- 対処法2:メモリの組み合わせを変えてみる
複数のメモリを増設した場合、どのメモリが問題を引き起こしているのかを切り分けます。メモリを1枚だけ挿して起動し、安定性を確認する作業を、すべてのメモリで繰り返します。特定のメモリを挿したときだけ不安定になるのであれば、そのメモリが原因である可能性が高いです。また、異なるメーカーやクロックのメモリを混在させている場合は、それが原因で不安定になっている可能性もあります。
- 対処法3:BIOS/UEFIのアップデート
パソコンメーカーやマザーボードメーカーが、メモリの互換性を向上させるためのBIOS/UEFIアップデートを提供している場合があります。公式サイトを確認し、より新しいバージョンのBIOS/UEFIがあれば、手順に従ってアップデートすることで問題が解決するケースがあります。ただし、BIOS/UEFIのアップデートは失敗するとパソコンが起動しなくなるリスクも伴うため、慎重に行ってください。
これらの対処法を試しても解決しない場合は、残念ながらそのメモリとお使いのパソコンの相性が良くない、と判断せざるを得ないかもしれません。購入店によっては相性保証サービスを設けている場合もあるので、確認してみるのも一つの手です。
メモリ増設に関する「よくある質問」Q&A
最後に、メモリ増設を検討している方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。細かい疑問点をスッキリ解消しておきましょう。
Q1. メーカーが違うメモリを混在させても大丈夫?
A1. 規格が同じであれば、基本的には動作することが多いですが、非推奨です。
メモリの規格(DDR4など)、容量(8GBなど)、動作クロック(3200MHzなど)がすべて同じであれば、メーカーが異なっていても動作する可能性は高いです。しかし、メーカーによってメモリチップの製造元や基板の設計が微妙に異なるため、稀に相性問題が発生し、動作が不安定になる原因となることがあります。最も安定した動作を望むのであれば、同じメーカー、同じ型番のメモリで揃える(できれば2枚組などのセット品を購入する)のが理想的です。
Q2. 容量が違うメモリを混在させても大丈夫?(例:8GB + 16GB)
A2. 動作はしますが、パフォーマンス面でのデメリットが考えられます。
8GBと16GBのメモリを一緒に挿して、合計24GBとして認識させることは多くの場合可能です。しかし、この構成ではメモリの転送速度を向上させる「デュアルチャネル」が、一部のモード(フレックスモード)でしか機能しないか、あるいは全く機能しなくなります。結果として、同じ容量のメモリを2枚使った場合に比べて、メモリの性能を最大限に引き出せない可能性があります。特別な理由がない限り、同じ容量のメモリをペアで使うことをおすすめします。
Q3. 動作クロックが違うメモリを混在させても大丈夫?(例:3200MHz + 2666MHz)
A3. 動作はしますが、遅い方のクロックに合わせて動作します。
例えば、元々刺さっていたDDR4-3200MHzのメモリに、新しくDDR4-2666MHzのメモリを追加した場合、両方のメモリが遅い方の2666MHzで動作することになります。せっかくの高速なメモリの性能が抑制されてしまうため、非常にもったいない状態と言えます。性能を重視するなら、同じクロックのメモリで揃えるのが基本です。
Q4. 中古のメモリって、選択肢としてどうなの?
A4. コストを抑えられますが、リスクも伴います。
フリマアプリや中古パーツショップでは、メモリが安価で販売されていることがあります。特に、数世代前の規格(DDR3など)のメモリを探している場合には有力な選択肢になるかもしれません。しかし、中古品には「前の所有者の環境でどの程度酷使されていたか不明」「目に見えない劣化がある可能性」「保証がない、または非常に短い」といったリスクが伴います。メモリは比較的壊れにくいパーツとは言われていますが、精密な電子部品であることに変わりはありません。安定性や長期的な利用を考えるのであれば、保証がしっかりしている新品の購入がおすすめです。
Q5. 自分で増設する自信がない…どうすればいい?
A5. 無理せず、専門の業者や購入店に依頼しましょう。
パソコン内部を触るのが怖い、時間をかけたくない、という方は、無理に自分で作業する必要はありません。多くのパソコン修理業者や一部の家電量販店、パソコンショップでは、メモリの増設作業を代行してくれるサービスを行っています。もちろん作業料金はかかりますが、パーツ選定のアドバイスから取り付け、動作確認までをプロが確実に行ってくれるため、安心感があります。「餅は餅屋」と割り切って、専門家に任せるのも賢明な判断です。
まとめ:メモリ増設で、あなたのパソコンはもっと快適になる
ここまで、メモリ増設の基本から選び方、実践、トラブルシューティングまで、非常に長い道のりを一緒に歩んできました。改めて、この記事の要点を振り返ってみましょう。
- メモリはパソコンの「作業机」。広ければ広いほど、複数の作業を同時に、そして快適に行える。
- メモリ不足は、パソコンが重くなる大きな原因の一つ。
- 増設前には、まず自分のパソコンの「現状」と「仕様」を正確に把握することが何よりも大切。
- メモリ選びでは「規格」「形状」「クロック」「容量と枚数」の4大ポイントを必ずチェックする。
- 作業時は「静電気」と「電源オフ」を徹底し、安全第一で進める。
- 増設後は、BIOS/UEFIとOSでの認識確認、そしてメモリ診断で安定性をチェックする。
メモリ増設は、パソコンのアップグレードの中でも、比較的少ない投資で大きな体感効果を得やすい、非常に魅力的な選択肢です。この記事が、あなたの「パソコン、なんだか重いな…」という悩みを解決し、より快適なデジタルライフを送るための一助となれば、これほどうれしいことはありません。
正しい知識を身につけ、適切な手順を踏めば、メモリ増設は決して怖いものではありません。さあ、あなたのパソコンに新たな息吹を吹き込んで、サクサク動く快適さを手に入れてみませんか?


